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ある日、僕はジャンボに話し掛けてみた。
「久しぶり、ジャンボ元気?」
ジャンボは不思議そうな顔をした。
「病気だったら学校には来てないよ。元気さ。」
「うん、そうだよね‥‥。あのさ、ジャンボはよく何か聴いてるみたいだけど、何の音楽を聴いてるの?」
ああ、と言うとジャンボは俯き、少し照れた様子で答えた。
「これは落語だよ。」
「え、落語?ジャンボ落語を聴くの?」
「そう。落語を聴くと頭が良くなる。君もどう?」
そう言うと、ジャンボは突然僕の前で落語を喋り始めた。約1分程続いた。ジャンボはその間ずっと真剣な表情で喋り続けた。僕は呆然とそれを見ていた。
「す、すごいよジャンボ!本物の落語家みたいだ!」
僕は落語は聴いた事がなかったけど、これから少し聴いてみたいなと思わせるような、そんな面白さを感じられた。
「これはオイラのオススメの師匠のやつでね‥‥毎日聴いてると自ずと暗記出来るものさ。」
ジャンボは笑わなかったが、なんだか嬉しそうな様子だった。
「音楽は聴かないの?僕もHIPHOPやJPOPだったら少し詳しいよ。」僕が言うと、
「音楽も好きさ。ただ、日本のはあまり聴かないな。オイラが聴くのは‥‥‥ああ、長くなりそうだから今度CDを一気に貸してやるよ。」
「ジャンボ、洋楽聴くの?!かっこいいなぁ。うん、楽しみにしてるよ。」
僕は、ジャンボが何の音楽を聴くのかすごく興味があった。
そんな楽しい会話が出来たので、僕は帰りもジャンボと一緒に帰ろうかなと思ったのだが、ジャンボは下校のチャイムが鳴ると忍者のような俊敏さで学校から出て行った。
「はぇぇ‥‥‥。」
僕はジャンボと出会ってから驚く事ばかりだ。
ジャンボを観察していると、見事に飽きない。
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