後日談

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「え?はじめてだったの?」 「悪いか」  バスルームで会話すると声が響く。酒をあけ、フレンチフライだのピザだのチリコンカンだの好きなだけ飲み食いした後は、ソファの上でいちゃつき始めてベッドに移ってーーあとはまあご想像の通り。  深夜に素っ裸でヨハンとシャワーを浴びている。 「ジェイムスとはセックスしてなかったの?」 「まあ、最後までは、したことない」  ああ、ジェイムスと会ったのは戦場だったからな。それにジェイムスは奥手だったし。   ヨハンは美人だから尚更だ。エキゾチックなうねりのある黒髪や切れ長の緑の目が、小さな顔に芸術的に収まっている。  でも、キスマークが映える白い肌と妖艶な腰のくびれを見られるのはオレだけの特権だ。だけど 「最初に言ってくれたら、知ってたらもっと優しくしたのに」  蛇口を捻ってシャワーを止めた。とたんにバスルームから音が消える。  だって、こんな綺麗な子がキスしてきてベッドに誘ってきたら、我慢なんてできるはずないじゃあないか。  オレは戦場に行く前からヨハンのことを知っていたんだぜ?訓練生にかわいい顔して優秀な子がいるって聞いて、演習場で初めて見た時から忘れられなかった。マークスマンライフルを構えて的を狙う横顔が、氷でできた彫刻みたいに冷たくて鋭くて綺麗だった。その子の名前が、ジェイムスのやつから出るとは思わなかったけど。新兵のくせに、同じ顔をしているのに、なんてすごく悔しかった。ヨハンもジェイムスを愛しているみたいだったからよけいに。  そう、オレは悔しかったんだ。ジェイムスとたくさん想いを交わして愛し合ったんだろうなと思ったら、ヨハンをめちゃくちゃに抱き潰してしまいたくなったんだ。  ごめん、と言いかけた唇を、ヨハンはキスで塞いだ。 「もういい」  とふいと尖った横顔を見せる。ああ、そうじゃないんだよ。だけどオレがジェイムスのことで謝るとヨハンは怒るから、もう何も言わないでおく。  ヨハンの細い腰に手を回しキスを返す。小さな尻に手を降ろしていき円を描くように撫で回した。指で谷間をなぞり、さっきまでオレのペニスを咥え込んでいたアナルに侵入する。ローションと精液のぬめりが残っていて、ナカをかき混ぜるたびにヨハンの身体がうねった。いい子だ。きちんと快感を拾いあげている。  初めてセックスした時あんまり積極的だったから、ジェイムスに抱かれていたのだとばかり。そうか、オレが初めてだったのか。あ、やばい。顔がにやつく。  すると、ヨハンはオレの腕を押し退け指を抜いた。バスタブにしゃがみ込み、オレのペニスの前でぱかりと口を開き 「こっちは処女だけど。どうする?」  獲物をいたぶるネコみたいにニヤリと笑った。唇から赤い舌をのぞかせるヨハンから毒々しいほどの色気が溢れる。普段は素っ気ないくせに、こうして気まぐれに積極的になるから始末が悪い。今すぐ喉奥まで突っ込んで犯したいなんてぶっそうな衝動がよぎる。 「オレがもらっていいの?」 頭を撫でると、ヨハンは挑発的に目を細めた。ホントにネコみたいだ。 「舐めて。オレのかわいい子猫ちゃん」 そう、オレのだ。むっと口を結んで眉を顰めた顔も、それでも健気に奉仕する小さな舌や口も。ヨハンが反り返ったペニスの裏筋を舐め上げるのに合わせて、背筋にゾクゾクと快感が走る。小さな口いっぱいに亀頭を頬張っているのは見ているだけで唆るものがある。  ヨハンも興奮しているのか、もどかしそうに擦り合わせる内腿の間から勃ち上がったペニスが覗いていた。  ヨハンに四つ這いになるよう促すと、フェラを続けながら発情期の猫みたいに尻を振る。左右に揺れる尻尾まで見えてきそうだ。無意識なのだろうけど、言ったらやめてしまいそうだから黙っておくのが賢明だ。  
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