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検証という名の猥褻※R18
胸当てとドロワーズ姿になったイブリンは両手で身体を覆い、小さくなった。
腕もお腹も剥き出しで心許ない。
向き合う王子はいつも通り、下穿きだけを身につけて上半身は裸だ。
「イブリンは細いね…色が白くて」
王子は腕を伸ばし、硬直するイブリンを抱き込んだ。
耳の後ろに高い鼻が押し当てられ、クンクンと嗅がれる。
「ああ…良い匂いだ。薔薇の雫なんて飲まなくて良いよ。このままで…」
「でも、それでは検証になりません~ひっ!」
王子の鼻が首筋を辿り鎖骨を擽り、胸元に下りる。
そこでスゥと大きく王子の鼻が鳴る。
「甘い…はぁ、素敵だよイブリン…君はお花だ。薔薇よりもっと可憐で美しい僕の花。さあ、腋を嗅がせて」
「腋はちょっと…先程汗をかいてしまいましたし、さすがに酸っぱ…」
イブリンの言葉を無視して、王子は腕を掴んで持ち上げ、腋に顔を突っ込んだ。
そこで盛大に息を吸い込まれる。
イブリンは擽ったいやら恥ずかしいやらで悶えた。
フガフガと腋で鼻を鳴らす王子は、顔を離すとぷはぁと息を吐いた。
頬が染まり、青い瞳が溶けている。
イブリンはいつか見たその表情に釘付けになる。
「凄い…ハァハァ、予想以上に良い…ああ、身体が熱い」
「で、殿下、大丈夫ですか?!」
王子はとろんとした目でイブリンを見上げる。
「大丈夫じゃないよ、全然大丈夫じゃない…興奮しておかしくなりそう」
「で、では、や、止めましょう!」
「嫌だよ、もっと良い匂いの所があるでしょ、そこを嗅がせて!」
イブリンはゴクリと唾を呑んだ。
もっと良い匂いの所…王子の言うところのそれはつまり、ケツの穴…
「あの、そこは必要ないんじゃ無いでしょうか。そこから香るものは体臭というより排泄物の匂い…」
「もちろんお尻にも興味はあるけど、僕が今猛烈に嗅ぎたいのはちょっと違う」
「えっ?!あ、そうなんですか?」
王子は膝を床について、イブリンの腰を両手で掴んで、そこを凝視した。
「ドロワーズから透けて視える…」
「なっ、なにっ?ど、どこが透けて…」
王子はペロリと舌を出して、赤い唇を舐めた。
イブリンは震え上がる。
「お花で言うなら雌しべかな。甘ァい蜜を孕む所だよ」
「殿下、そ、そこは、いけません!!」
「駄目だよ。イブリンが一番香るところじゃないか」
「やっ、駄目っ」
イブリンは手を伸ばし、そこを隠そうとするが、王子に手を掴まれ阻止される。
王子はイブリンの股に鼻を突っ込んだ。
熱い息が薄い布越しに吹きかけられ、イブリンは太腿を震わせた。
王子はその太腿を抱き込み、更に深く顔を押し当てる。
王子の頭に腰を下ろすような格好になったイブリンは慌てて逃げようとするが、がっちり掴まれて叶わない。
王子の鼻が敏感なところを擦り、イブリンは王子の背中に手をついた。
「あ、はあっ、止めて下さいぃ、や、やだぁ」
漸く股間から顔を現した王子は、荒い息を吐きながらイブリンに懇願した。
「イブリン、まだ足りないよ!もっと濃いのを嗅がせて、噎せ返るほどの濃厚な香りが欲しい…!」
「殿下、もう検証は充分でしょう?止めましょ…」
王子はイブリンの懇願を無視し、腰を掴んで肩に抱えあげた。
突然のことにイブリンは慌てる。
研究室の奥に運ばれながら、なすすべもなく遠ざかる景色を眺めた。
椅子の上に畳まれた自分のメイド服が見え、改めて、自分が裸同然であることに思い至り、羞恥に顔を火照らせた。
やがて扉が開く軋んだ音が背後で鳴り、王子はイブリンを肩から降ろしてそっと横たえた。
掌から伝わるひんやりとしたシーツの感触で、ここが王子の寝室であり、ベッドの上だと気付く。
のしかかる王子は、イブリンの顔の両側に手をついて宣言する。
「僕が今からもっと薫らせてあげよう」
「で、殿下、検証はもう必要ないと…」
「検証なんかどうでも良いんだよ、もう」
熱に烟る瞳を向けて切羽詰まったように言葉を吐く王子に、イブリンは言葉を呑む。
「ねぇ、イブリン、もっと蕩けて蜜を溢れさせて。僕はその方法を知ってるんだ。試させて」
「で、殿下っ、でも、それは…」
王子は性急にイブリンの唇を塞ぎ、舌で舐め回し口内を貪った。
絡まった舌から伝わる快感が、イブリンの脳を痺れさせ、思考を奪っていく。
「ん、はあ…」
「ああ、良いよ、イブリン。そのまま…僕にすべてを委ねて。心配しないで、僕を信じて。決して君の立場を悪いようにはしない…僕が守るからね」
「はぁ、んん…殿下…熱い」
「熱いなら、脱いでしまおうね」
王子はイブリンの胸当てを押し上げ、膨らみを顕にするとそれを掴んで揉みあげた。
「可愛い蕾だ…ここをこうやって愛でるとね、気持ちよくなって蜜が溢れるんだよ、ほら、どう?」
王子はイブリンの乳首を摘んでそっと捏ねた。
「あ、や、」
イブリンとて性教育は受けている。
今この身に受けている行為が、それに繋がるものだとわかっていた。
けれど、優しくあやすように触れる王子の前では、何故か子供のように甘えたくなる。
「気持ち良いよね?イブリン」
イブリンは目を瞑って頷いた。
「気持ち良いです…もっと触って下さい殿下」
「ああ…っ、良いよイブリン」
王子はイブリンの蕾に吸い付き、舌で弄ぶ。
柔らかで湿った感触に押しつぶされ、転がされ、イブリンは小刻みに声を上げて鳴いた。
「可愛い声だ…もっと聞かせて…そうだ、僕の名前を呼ぶと良い」
イブリンは朦朧としながら首を傾げる。
「僕の名前は…」
「ジョスラン様」
「…知ってたの?」
「お仕えする主の名前を知らぬわけがございません。私は王宮メイドでジョスラン様の助手なのですから」
「誰も僕の名前を呼ばないから…忘れられたかと思ってた」
「そんな事は有り得ません。貴方は我が国の大切な王子。尊敬する私の主人です」
ジョスランはたちまち眉を寄せ、泣きそうな顔でイブリンの肩に顔を埋めた。
イブリンはその髪を撫でる。
王族でありながら道具のように扱われ、長く心細い日々を過ごしながらも、人としての優しさを失わずにいた青年。
彼が愛おしくて堪らない。
「私を選んで頂いたからには私もジョスラン様を守ります。たいした盾にはなれないかもしれませんが、根性には自信がありますので」
「イブリン…!」
ジョスランは目を潤ませ、感極まった表情でイブリンを見つめた。
「へへ、興醒めしてしまいましたね、続きはまた今度改めて…」
「は?全然してないよ」
ジョスランはイブリンの上半身を引き上げて、膨らんだ股間を指差した。
「ほら」
ほらって、アンタ…
「はち切れそう。イブリンの事を考えるといつもこうなるんだ。これまでは自分で処理していたけど、もう我慢できない」
自分で処理?
「今朝もね、イブリンが来る前に君の香りと鼻息を思い出しながらさすっていた。射精した途端に君が扉をノックするものだから焦ってしまった」
なんだって?
…あの時、扉を開けた時に香った濃厚なアレは…
「イブリンに嗅がれちゃったね、僕の匂い…その事にも興奮して…また勃ちそうになったよ」
膨らんだ股間を擦りながら、悪びれもせず赤裸々に語るジョスランにイブリンは呆ける。
「早く挿れたい」
イブリンはひょっと息を呑んだ。
薄々気付いていたが、本当にそこまでやるつもりだったのだと突き付けられて、イブリンは怯む。
「あの、ジョスラン様、やはり時期尚早では…もし、お子でも授かったら…」
「僕達の子供はどんな魅惑的な香りだろう」
夢見るようにうっとりと目を細めながら、ズレた答えを返すジョスランに、イブリンは何も言えず口を噤んだ。
「先ずは僕らが溶け合って確かめようね」
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