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孤立したけど、中3だったから勉強も大変だったし、期間もそう長くはなかったから、なんとか耐えられた。
私は、市立の高校に進んだ。
同じ中学の子もけっこういたから嫌だったけど、うちには私立に通うお金がなかったのだから仕方ない。
受験勉強は、遼に教えてもらった。
エスカレーター式の学校に行ってるくらいだから、頭は良くないと思ってたけど、意外なことにすごく頭が良いということを初めて知った。
高校では、中学程の孤立にはならなかった。
新しく友達も出来た。
だけど、遼のことは話さなかった。
彼氏はいない振りをした。
新しい友達の道子は私以上に地味で目立たないタイプの子だった。
当然、彼氏なんているはずがない。
だから、言わない方が良いと思ったんだ。
そしたら、意外なことに道子には彼氏がいることがわかった。
画像を見せてもらったら、彼氏も地味で暗い感じの子だった。
でも、そういうのが好きならそれで良い。
道子が打ち明けてくれたんだから、と、私も遼のことを話して、画像を見せた。
そしたら、道子の態度がまた急変した。
「雅美、あんた、騙されてるんだよ。」
「え?」
「お金…あげてるんじゃないの?」
「ううん、1円もあげてないよ。」
それは本当のことだ。
私は、遼にお金をあげたことなんてない。
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