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「じゃ、じゃあ、体目的とか…」
そんなことを言われても、私達はその時、プラトニックな関係だったし。
「肉体関係なんてないよ。」
「じゃあ、なんであんたがこんな子と付き合ってるのよ。
おかしいじゃない。」
「えっ!?」
中学の時と全く同じだった。
結局、道子は私から離れていった。
なぜ?
なぜ、いつもこんなことになるんだろう?
私はその鬱憤を遼にぶつけた。
「あんたのせいで、また友達がいなくなった!」
「ごめんね、雅美…
でも、そんなの本当の友達と言えるかな?
そんな子と付き合ってても、意味ないんじゃない?」
「でも、友達がいないと寂しい。」
「僕がいるじゃない。」
遼に優しく抱き締められた。
ちょっと恥ずかしかったけど、嫌な気持ちはしなかった。
考えてみれば、遼はいつも優しかった。
私がこんな風に文句を言っても、怒ることなんて全くない。
いつも私の気持ちを受け止めてくれた。
私の心は満たされ、そして吹っ切れた。
友達なんていなくても、私には遼がいる。
もしかしたら、遼に対して『好き』という気持ちを抱いたのは、この時が初めてだったかもしれない。
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