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そしてマリオは躊躇いなく、手にした青い錠剤を、口の中に放り込んだ。
「待て、マリオ! 飲むな、辞めろ!!」
ジャックが必死に叫んだが、もう遅かった。マリオは錠剤を「ごくり」と飲み込み……それから、俺たち3人を笑顔で見渡した。それが「笑顔」だっただけに、俺たちは「正解」だったのかと安堵したが、それも本当に一瞬の間だけだった。
「うっ……ぐ、ぐぐうううう!!」
マリオはすぐに真っ青な顔になり、胸元を両手で押さえて倒れこんだ。「マリオ、マリオ!!」あの”トリセツ”には、解毒剤はこの毒には効果がないと書いてあったが、それでも何もしないよりはマシなはずだと、マリオが飲まなかった「赤い方の錠剤」を飲ませようとしたが。
「ぐぼっ……!!」
解毒剤を拒否するかのように、マリオが真っ赤な血を吐き出した。もう、助からない。俺たちはマリオの運命を悟った。「僕が死ぬことで、皆さんが助かるなら」。マリオの死を無駄にするわけにはいかない。俺たち3人は、互いに目を合わせて、赤い錠剤を飲み込んだ。
『おめでとう。君たちは、ファイナルレベルを無事にクリアした』
案内人の声が、リビングに虚しく響き渡った。
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