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「な……何を言うの? ついさっき、ジャックさんを命の恩人だって言ったばかりじゃない。そのあたしが、最初から生き残る予定だったって、どういうこと?!」  キャシーはソファーから立ち上がって、ジャックに向かってそうまくしたてたが。指の震えに加え、叫ぶように発した声も、心なしか上ずっているように感じられた。その様子はどう見ても、ジャックの言葉に「動揺している」としかしか見えなかった。  気色ばんでまくしたてたキャシーに対し、ジャックは努めて冷静さを保つようにしながら、キャシーに語りかけ始めた。 「キャシーはこれまで皆のムードメーカーとして、ゲームに参加した皆を励まし、力付けてきていた。それは献身的な行為にも思えるが、裏を返せば、それだけゲームに参加する意欲を盛り立てようとするものでもある。死人が出たことで、このまま続けていいのかと迷う参加者たちをね。つまり、このゲームに於けるキャシーの『役割』は、ゲームを続行するよう皆を促し、辞退者を無くすことだったと考えられる。  最初に何かおかしいと感じたのは、LEVEL2を終えた後に、ジョニーが喫煙室へ1人で行った時だった。あの時キャシーは、ジョニーと2人きりになるのを嫌がって、タバコを吸うにもかからわず、喫煙室に行かなかったが。その後監督から、戻って来ないジョニーの様子を見て来てくれという依頼があった時には、行こうとしたマイケルを止めてまで、自ら進んでその役を請け負った。喫煙室で2人きりになるのが嫌なら、普通はそこも嫌がるんじゃないかと俺は思ったんだ。  ここでのキャシーの役割は、ジョニーが予定通りに『死を選んだか』を確認することだったんじゃないかと思う。もしかしたら死にきれず、まだ『助かる可能性』があるかもしれない。その判断を、奴らから託されていた。そして喫煙室に行き、もう助かる見込みはないと認識してから。これも予定通りに、リビングにいるみんなに聞こえるように、『悲鳴』を上げた……」
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