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「千里眼それがあなたに宿った能力。」
唯はそう言って自分から離れて消えていく、
微かに光ったナイフ
胸にささってる....夢中で唯を追いかけて血が黒い制服で周りに怪我の事を気づかれない。
骨たちしかいない
唯がいない...
手が震えている。
英治は悟った。
あいつはなんらかの方法で中身見せないようコントロールし、今人混みに紛れた。
最初から敵と認識されていたのか!
何故....周りは骨と内臓の人ばかり...
「普通に戻ると紛れられるのか?」
ボソッとこぼす言葉とフラつく意識、だが今覚醒する寸前、人混みを無意識に避けることで見えたもの...それは人間やケモノの気配だった。
「気配がわかる。つまり唯は...そうだ!この状態はまるで目で物を触っている感覚だ。おそらくこれが唯の気配。千里眼同士ならわかってしまうのか!」
彼が気づいた事、英治が考えた仮説はこうだ。
唯はこの力を使っていた。
そして同じように千里眼を使うオレに気づいた。
千里眼を使う者はおそらく危険でソイツらと戦うためナイフを隠して、待ち伏せて、かよわい人として油断させた。
友達だと気づいた頃には刺さっていた。
驚いてナイフをそのままにしたという事だろう...
英治はあまりの出血により、倒れたが、千里眼をセーブできていた。
雨がポツポツと振り始める。
一方、唯はこの惨事にナイフを回収しようと倒れた英治に近づいたが、
その惨状のエグさに気が変わった。
彼女はうなだれて、うずくまりながら、「ごめん!」「ごめんね!」と血みどろで倒れる英治をそっと抱き寄せた。
「英治...。」
英治は唯に驚いた。
英治:「唯.....。オレは死なねえよ!」
「汚い顔見せんな、綺麗な顔が台無しじゃねーか。」
英治は致命傷を避け生きていた。
唯:「何よそれ?」
英治:「かわいいって事だ。」
唯は泣き笑いでそう問いただし、答えたことに笑みを浮かべていた。
英治は笑った。
お互いの笑顔はポツポツと少ない雨にもかかわらず、相合傘をして病院に駆けていった。
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