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未来の話をしながらケーキ作りを進める。
‥‥‥‥‥
『よし、いい感じ』
『かわいい〜♪ねぇねぇ、写真撮っていい?』
『まだ途中だけどどうぞ!』
何枚か写真を撮るセイカ。
『さぁ仕上げは清花の出番だよ、ここにチョコレートペンでこれを書いたら出来上がり』
ひろきが渡した紙には、Hiroki、Seika、Nanami、と家族の名前が書かれていた。
『上手く書けるかな』
『大丈夫だよ、別に正解がある訳じゃないんだし』
『ひろくんは書かないの?』
『俺はもう書いたよ、ほら』
ひろきが見せてくれたチョコレートの板には筆記体で、Merry Christmasと書かれていた。まるでその道の職人が書いた様な字に思わずセイカは、
『ひろくん、上手すぎるよ。私がこの下に書いたらバランス悪くならない?』
『そんなこと気にしなくていいよ。出品する訳じゃないんだから、楽しく作って失敗したらしたでまたそれも楽しい思い出になるよ。そういえばあの時あんなことあったねって、笑いながら話せるよ』
微笑みながら話すひろき。
『‥まぁこんなにかわいいケーキを一緒に作って自分が変な形にしたくないって清花が思うんだったら俺が書くけどどうする?』
『‥‥今回はひろくんに書いてもらっていい?』
『‥わかった』
『ごめんね』
『ううん、でも清花はほんと優しいね』
優しく微笑んでセイカの頭をポンポンとする。
『変になるとか上手い下手なんて気にしなくていいのに。‥まぁでも自分が逆の立場だったら多分気にしてるかもしれないけどね』
そこまで話すとひろきはペンを持ち書き始める。淀みなくスラスラと筆記体で見事なまでに達筆、家族の名前が書かかれたチョコレートの板が完成した。
『よし、出来たよ』
『すごいなぁひろくん』
『チョコレートペン余ってるから後で一緒に練習する?』
『したいな!』
『オッケー、任せて!』
ケーキも出来上がり後は楽しむだけ。
『じゃあ無事にクリスマスを迎えられたことに、かんぱーい!』
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