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お腹をさするセイカの手を握るひろき。
『できてたらまた全力で支えるからね、遠慮しないで何でも言ってね』
『うん!ほんとにいつもありがとう』
セイカもひろきの手をぎゅっと握り返す。
『ひろくんの温もりがいつも私に安心を与えてくれる、何の心配もないよ』
ひろきと同じ様に澄んだ瞳をしたセイカ。そして2人は暖かさに包まれてそのまま眠りについた。セイカのお腹に手を当てながら。
‥‥‥‥‥
半年後。
『今日の健診でどっちかわかるかな?』
『赤ちゃんの体勢次第だね』
『清花はどっちだと思う?』
『んー、今回は予想つかないんだよね』
『あはは、七海の時は予想通りだったけどね』
『ひろくんはどっちだと思う?』
『俺は女の子だと思う』
『女の子か、もしそうだったらひろくん1人男で寂しいんじゃない?』
『そうだなぁ、まぁでも花に囲まれて嬉しいよ』
車を走らせて病院に着く。
『お腹の子は女の子ですね』
『ほんとですか?』
『はい、今日はよくわかります。間違いないです』
『そうですか、ありがとうございます』
『共に健康で何の問題もありません、お気をつけてお帰りください』
『ありがとうございます』
病院を出て車へ戻る。
『お待たせ』
『おかえり』
『ママおかえり』
『ありがとう、お腹の子わかったよ』
『どっちだった?』
『女の子』
『やっぱり』
『あはは、ひろくんの予想通りだったね』
『帰りに服とか見に行く?』
『そうだね、お願いしていい?』
『オッケー』
七海の時と同じように買い物を済ませて帰路に着く。
『清花、玄関開けてもらっていい?荷物運んでおくから』
『わかった、ありがとう。ほら七海おいで』
『パパのおてつだいいらない?』
『七海にはまだ重たいと思うよ』
話を聞いていたひろき。
『じゃあ七海はこれ持っていってくれる?』
軽い小さい袋を七海に渡す。
『持てるかな?』
『うん!』
『すごいね!じゃあそれ持ってママと一緒にお家に入ってて』
『うん』
『ありがとうひろくん』
セイカの言葉に微笑みを返した。
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