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『さぁ次はさくらだな』
『さくらはにげきるもん!』
ひろきに捕まった七海を眺めてたさくら、今度はセイカが後ろからさくらを捕まえ抱き上げる。
『残念、さくら捕まえた』
『あはは、パパと七海に気を取られてたねさくら。ママに気付かなかった』
『むー』
頬を膨らませるさくら。
『でもさくらも足速いよ』
『ほんと?』
『うん、2人とも運動神経はパパ譲りだね』
『えへへ』
屈託なく笑うさくら。しばらく遊び時刻はお昼になっていた。
『そろそろご飯食べようか?』
『ななみおなかすいた!』
『さくらも!』
『あはは、じゃあご飯だね。手、洗いに行こう』
『おべんとうたのしみ!』
手を洗ってシートに戻り昼食を食べる。その後ひろきとセイカはシートに座って休憩を取る。七海とさくらは変わらず遊具に遊びに行った。
『しかし子供は元気だな』
『ふふ、元気な所ひろくんそっくりだよ』
『そうかな?』
ゆったりとした時間が流れる。
『ママ〜、こっちきてー!』
『はーい、‥ちょっと行ってくるね』
『うん、俺も行くよ』
『先行ってるね』
セイカは先に子供たちの方へ向かう。ひろきもすぐに向かおうと立ち上がった時、
ズキッ!
『ッ!!!』
左胸に痛みが走る。痛みはすぐに収まった。
『‥(なんだ?今の痛み?)』
考えるがわからず、すぐに収まったこともあり深くは気にしなかった。
『‥‥てを‥‥はい‥‥やる』
不気味な声が何かを呟いたが、誰もそれに気づかなかった。
『日差しが強いな』
『ほんとにね、春とは思えないくらい』
『ママ、のどかわいた』
『俺買ってくるよ』
『ごめんね、ありがとう』
自動販売機に飲み物を買いに行くひろき。
『しかし暑いなぁ、いい天気なのはいいんだけど』
飲み物を買ってみんなの所に戻ろうとした時、少し強い風が吹いた。ひろきの足下に麦わら帽子が飛んできた。
『‥‥‥‥』
クスッと笑い麦わら帽子を拾う。少し先からセイカが笑顔でこっちに向かってきていた。
『ごめん、帽子飛んじゃった』
セイカに帽子を手渡す。
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