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『??、どうしたのひろくん、そんな笑顔で』
『清花、見覚えない?』
桜の木の側、風に飛ばされた麦わら帽子、その帽子を拾ったひろき、帽子を取りに来たセイカ。セイカもすぐにわかった。
『!!、もちろん覚えてるよ、初めてあなたと出会った時と同じ!』
『しかも同じ公園で同じ季節、同じシチュエーションだよ』
『うん!すごい偶然だね』
数年前にあった出来事、ひろきとセイカの運命の出会い。
『懐かしいな』
『うん、‥でもあの時初めて会った人が未来で私の旦那さんになるなんて思いもしなかったよ』
優しく微笑むセイカ。
『あの時はまだ清花は俺にとって憧れの人だった。出会って少し話をすることはあっても隣にずっといてくれるなんて想像も出来なかった』
『あはは、確かにね』
『それが今は隣で微笑んでくれる、手を繋いでくれる、ほんとに幸せだよ』
『幸せなのは私も同じだよ、ひろくんは私に大切なものをたくさんくれた、教えてくれた。優しくて温かい何にも変えられない素敵な宝物』
『『ママ〜、パパ〜』』
『はーい、今戻るよ。行こうひろくん』
セイカは七海やさくらと同じように屈託なく笑いひろきに手を差し出す。
『うん』
ひろきはその手を取りセイカと一緒に子供たちの下へ。
『清花』
『なぁに?』
『ずっと愛してるよ』
『私も、ひろくんをずっと愛してる』
2人の変わらない愛の形。その時涼しい風が2人の間に吹き優しく髪を揺らした。
出会ったあの時と同じ、甘い花の香りがした。
END
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