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最終レースで今日、1日分の負けを取り戻そうとした清野は、この3文小説の舞台に上がるべくして上がった、年老いたプロレスラー長州力のように豪快に競馬は負けた。 まぁ、こういうオトコだ。緩んだ頭のネジはそのままにしておいた方がいい。何も知らないほうが人生幸せな時もある。デブ専(この糞の好み)はそのままでいい。特に矯正するでもない。キャバクラでそう云う女が居たのだから、需要と供給の関係は合致したのだ。自由主義経済なのだ!誰が文句を言おう! デブ専という好みを纏ったこの、勘違い男(デブ専)はデブにまみれて一生を過ごすのだ!いいではないか! 俺達、4人はバスに乗って吉祥寺駅迄出て、清野は嫌がったが、俺が金が無いテイで御洒落だが手頃な居酒屋に入った。 「キミ達、何時から競馬場、居んの?」 何時からこの、清野(ロリコン)と一緒に居るのか興味があった。 「1時くらいからです・・・」ガリガリ・ガリクソンが・・・いや、心愛(ココア)がすぐに反応した。 「2時半かな?」鼻からタバコを吹かしながら結依菜(デブ)は事もなげに言った。 「ガハハ!結依菜チャン、心愛チャンを1時間半も待たせたんか??キヨさんと何の話したんよ?」 「うるせぇな。世間話だよ。なぁ。心愛チャン。」 「そうです。そうです。経済学の話をして頂きました。」 「あかん、競馬の勝ち馬券の換金方法や。確かに経済学やわ。ガハハ!」 俺は自分に心の自分がセーブできなくなると関西弁がでる。豪快に嘲笑ったが、心愛(清野にとっての天使)が首を2回振った。 「違います。サラ金の業務についてのことです。すごく、興味深いです。」 「キヨさん、なんで、俺達の職業、バラしとん!アホか?北朝鮮でスパイやってます〜〜〜!で、ええやろ?通じるんや!どうせキャバ嬢(オンナ)やろ?ニコニコ頷いて、聞いてくれるやろが!」 「いえいえ、タケルさん、私、経済学部の学生なんです。すごくためになるお話をお聞きしました。」 「嘘つけ!心愛、てめぇ、未成年ちゃうやろな?」 俺は彼女に怒鳴った。化粧をしていないコノ女が高校生にしか見えない。髪も黒くセミロングを後ろで縛った職業。清潔感のある看護師か美容師にしか見えない。 「桃林大学の2年生ですよぉ〜。今は学生証、持ってませんから、証明できないですけど。」 「キヨさん、結依菜チャンと今日、約束したんやろう?見りゃ分かるわ。心愛チャンは・・・次いでに着いてきたんか?」 「聞いて驚くなよ。心愛は昨日、入店したばかりの新人だ。お前、細いオンナが好みなんだろ?丁度、良いじゃねぇか。優しく、食っちまえば!そのつもりで来てるんだろ?オンナも。」 隣の清野が俺の耳元で囁いた。 「俺はええわ、東京都育成条例でまだ、お縄を頂戴するわけには行かへんねん。来週から仕事で回収強化週間やないですか?アカンてパクられるんわ。」 「タケルさん、関西弁喋られるんですねぇ・・・心地良いです。」 「うるさいわ!心愛!まぁ、ええわ、6時までやからな!知らんで!しょーもない、3人で出勤すればエエやん。俺は降りるで!」 「同伴だから7時半までに店に着けばいいんです。それに心愛は今日は休みだし。」 「何やて!なんで同伴の指名も付かんのに、午後1時からしょーもない、アラサージジィと競馬場におんねん。アホか!」 「タケルさんの関西弁、痺れるぅ〜〜〜。もっと、関西弁のシャワーを頂戴!お願い!」 彼女は胸を両手で抑えた。心愛の顔がポアポアして真っ赤になってきている。 「すまんなぁ・・・コイツ、興奮すると関西弁、出るんだよー。勘弁してね。結依菜チャン、心愛チャン。」 「ねぇー。関西のどこなの?」 結依菜が喰い付いてきた。 「どうでもいいやん、どこでもホンマ・・・」俺は拳を握って、 「奈良と和歌山やない事は確かや。滋賀でもない。あそこら、関西ちゃうで。」 「ホンマにぃ〜〜〜〜〜〜。」 「心愛、オマエ、関西弁使うなや!ムカつく!」 「タケルさんの関西弁、素敵すぎぃーーーーーーー。」 結局、結依菜とデブ専(キヨノ)は店に、俺と心愛は吉祥寺駅の井の頭公園口に放置されることになった。
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