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ロード、温泉を掘り当てる
「ふぅ~、やっぱり川の水は冷たいなぁ」
俺は日課の水汲みの為、川に来ていた。
シャノンやステレア王女、アマンダと増えて来てやはり必要になってくるのが水だ。
俺一人だけだったら別にタオルで体を拭けばいいだけの話なのだが、流石に年頃の女性、しかも王女に対してタオルで拭けとは言えない。
まぁ、家の中に風呂があったから毎日水汲みに行っている、勿論生活用水も確保する為だが。
「ホントは此処からホースで繋げれば良いんだが……」
だが、町にも流れている川だ、もしかしたら影響が出るかもしれない。
「だったら別の水脈を探した方がいいかもな」
そんな事をブツブツ考えながらバケツを持って道を歩いていると何やら変な臭いがしてきた。
「ん、なんだこの臭い?どっかで嗅いだ事ある様な……」
俺はその臭いがする所へと進んだ。
「これは……、水か?いや、でも湯気が立ってるな」
俺は小さな水溜まりを発見した。
俺は恐る恐る手を入れてみた。
「熱っ!?これ、もしかして温泉じゃないか!?」
温泉だとしてもまだ人が入れるものではない。
「まずはコレを広げないと行けないよな……」
一旦家に戻りステレア達に温泉らしき場所を見つけた、と話した。
翌日、みんなで温泉に向かった。
「確かにこの臭いは温泉の臭いだ」
「我が国には温泉が無くて、入りたかったんです」
うん、二人とも目がキラキラしてるね。
『主よ、この周辺にはどうやら水脈があるぞ』
シャノンが地面をクンクンと鼻で臭いを嗅きながら言った。
という事は掘れば温泉が湧く、という事か?
そう言われたら掘るしか無いよなぁ……。
早速持ってきたスコップで地面を掘っていく。
暫く掘ると地質が変わり臭いもどんどん強くなっていく。
ただ人力でやるにはやはり限界がある。
『我が手伝おうか?』
「シャノン、出来るか?」
『任せよ』
そう言って前足で穴を掘っていく。
流石は神狼、力がある。
と、暫くして穴からシャノンが飛び出してきた。
『主、来るぞ。離れた方が良い』
俺達は穴から離れた。
すると勢いよく穴から温泉が出てきた。
「シャノン!良くやった!」
撫でてやるとシャノンはフフンとしたような顔をした。
その後、岩風呂を作り露天風呂が完成した。
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