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ロード、シャノンの身の上話を聞く
「悪いな、騎士に山菜採りを手伝わさせて」
「居候させて貰っている身だ、少しは手伝わせて貰わないと」
俺はシャノン、ミランダと共に山菜採りに来ていた。
『主よ、このキノコは食えるぞ』
「おっ、そうか」
シャノンがクンクンと匂いを嗅ぎ毒があるかどうかを確かめてくれる。
コレが百発百中で当たるもんだからシャノン様々である。
「そういえば前から聞きたかったんだがミランダはどうして騎士になったんだ?」
「私か?」
「あぁ、見た感じミランダも良いとこのお嬢さんだろう?騎士になる必要ってあったのかな、って」
「……そうだな、一般から見れば変わっているだろう。確かに私の実家は公爵家だ」
「公爵って言ったら貴族の中では上位に入るんだろう?」
「傍から見ればそう思うだろうが私にとっては窮屈で仕方無かったし親子関係も良いものでは無かった……」
ミランダは寂しそうな顔をしながら言った。
「私が騎士になったのは親への反抗だったかもしれない、女でも戦える所を見せたかった、でも親は認めてくれなかった、おかげで私は勘当されたよ」
「随分と冷たい親だな」
「貴族にとって子供は政略の道具でしかない、私の両親はその風潮が強いんだ。道具として機能しなかったらお払い箱にする、それが私の親なんだ」
「貴族の社会も大変なんだな……」
「そんな私を拾ってくれたのがステレア様だ、あの方には恩義がある、ステレア様も王族の中では不憫な身なんだ……」
どうも王族も貴族も色々あるみたいだな。
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