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駅
僕は実家の最寄り駅に降り立った。
十年ぶり。なのに、成人式に帰省してからさっぱり変わりなかった。
木造の無人駅舎に降りたのは自分だけ。歓迎してくれたのは蛙の合唱だけ。
『タクヤくん、久しぶり! 実はね、おばあちゃんが大往生を遂げてね。あのときになんでナイショの約束をしたのかわかったの』
幼馴染のサキから連絡がきて、懐かしくなって帰ってきてしまった。
そういえば、あのときも蛙が鳴く季節だったな、と昔をおもいだしながら歩きだす。家ではなく小学校があったほうへと。青々とした水田と森をつっきる道を進む。
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