なくした約束

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 都会では大の大人がぞろぞろと列をなして歩く姿は当たり前の風景かもしれないが、田舎ではまずこんな光景に出会うことはない。なんだか不思議な集団だなと他人事のように、列の後ろをつかず離れずのんびりと歩く。少し前を行く女子の集団の中に、鈴木綾音の後ろ姿を見つけた。  周りの女子たちよりも身長が低いのか、鈴木は少し見上げるようにして周りに相槌を打っていた。そんな彼女の楽し気な背中に、三つ編みおさげが垂れた背中を少し丸めたどこか寂しそうな後ろ姿が、ふと重なった。鈴木の背中を見やりながら、隣をぶらぶらとだらしなく歩く友人に向けて、胸に浮かんだ小さな違和感を投げる。 「なぁ。鈴木綾音って、あんなに周りと話す奴だったか?」 「あ? 鈴木? そういえば、いつも一人でいたような……あんまり周りと馴染んでる感じじゃなかったなぁ」 「だよなあ。なんか、俺も今そんな感じがしてさ。いつも列の最後尾を一人でのそのそと歩いてる感じ?」 「ああ。そうだったかも。なんだ? やっと鈴木のこと思い出したのか?」 「いや、……なんか、そんな感じだったなって朧げに思っただけで、まだ……」  ごにょごにょと言い訳めいた事を口にしながら、もう一度鈴木を見る。
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