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幼馴染が私と同じタイミングで地元に帰省しているという話を聞いて、私は久しぶりに彼女のことをランチに誘った。
待ち合わせ場所のカフェに先についた私は『窓際の席にいる』とメッセージを送り、窓の外をぼんやりと眺める。ほんの一年ほど帰っていないだけなのに、街並みはすっかり変ってしまったように見えて、なんとなく寂しさを覚えた。
彼女を待って、どれくらいの時間が経っただろうか。
SNSを開いて、どこかの誰かが投稿した面白い猫の写真を見てにやけていると、カラン、と背後でドアベルが鳴り、店に新たな客がきたことを知らせた。
「久しぶり、美咲」
「……もー、遅いよ千鶴」
聞き慣れた声に反応して、ぱっと顔を上げ、まるで雑誌に載っているような人がいたことに私は息をのんだ。しかし、そこにいたのはどこかのファッション雑誌の読者モデルなんかではなく、確かに私の幼馴染の千鶴だった。
地元の大学に進んだ自分とは違って、都会に出るとこうも変わるのか。私だって自分なりに、メイクやファッションを研究して身だしなみには気を遣っていたつもりだ。けれど、どうにも自分の方がどこか野暮ったく見えて、なんとなく気恥ずかしくなった。
私が自分の野暮ったさを気にしているなんて少しも考えていないだろう彼女は、私の向かいの席に座るや否や、こう切り出した。
「ねえ、美咲……あの日の約束、覚えてる?」
「……もちろんだよ」
嘘だ。全く覚えていない。頭の中はなんのこっちゃでいっぱいだ。なんで素直に「ごめん、覚えてない」と言えなかったのか。私の背中を冷や汗が通る。
こうなったら賭けだ。話が進むにつれて約束の内容を思い出すかもしれない。腹をくくった私は、いかにも全て覚えていますよという顔をしながらメニューに視線を落とした。
「懐かしいなあ。小学校の卒業の三日前にさ、思い出の場所で、いつか二人で一緒に例のあの場所に立とうねって誓いあってさ」
「……うん」
何、例のあの場所って。どこの場所のことだ。なんならその前の思い出の場所とやらも一切記憶にないんだけど。ぐるぐると悩む私の手から、千鶴がメニューを取り上げる。
「美咲、何頼むか決めた?」
「あー、えーと、パスタセットにしようかな」
「ここのパスタ美味しいもんね、私もそれにしよ」
整えられた千鶴の指先が店員さんを呼ぶボタンを押す。艶やかな桜貝のような爪が綺麗だと思った。
すぐにやってきた店員さんに千鶴がすらすらと注文していく。
「パスタセット二つで。あ、先にカフェラテください。アイスで。美咲は? 飲み物どうする」
「んーと、オレンジジュースで」
「かしこまりました。ご注文確認させていただきます。パスタセットがお二つ――……」
確認を終えてきびきびと厨房へと向かう店員さんを視線で見送っていた千鶴の目が私に戻る。
「ねえ、美咲。なんかさっきから上の空じゃない? もしかして、あの日約束したこと忘れたの?」
「え、いやその」
さすがに知ったふりでは切り抜けられなかったようだ。ここは素直に頭を下げて教えてもらうしかない。覚悟を決めたその時、千鶴が机の上で祈るように両手をぎゅっと握った。
「魔法水晶の洞窟のこと、本当に忘れちゃったの?」
いつになく真面目な千鶴の顔を見て、私の中で唐突に合点がいった。ありとあらゆる思い出が脳裏によみがえり、顔からは思わず笑みがこぼれる。
「ごめんごめん。忘れてたけど、今のでちゃんと思い出した。えーっと、あの洞窟でしょ? 南町の三丁目の方の。初めて千鶴と二人でゴブリン倒したとこ。今どうなってるんだろ」
「思い出してくれてよかった。来るとき見てきたけどね、ドラッグストアになってたよ」
「うそ、じゃあもう魔法石取りに行けないんだ」
懐かしい思い出話に花を咲かせていると、飲み物を持った店員さんが颯爽と現れた。
目の前に置かれたオレンジジュース。カラン、と涼やかな氷の音を聞いた途端、私は自分の喉の渇きを自覚した。
「お待たせしました、アイスカフェラテとオレンジジュースです」
「どうも」
ストローをさして、お互いにひと口飲んで、ふっと息をつく。
遠ざかる店員さんの足音を聴きながら、私は泣きたくなるような懐かしい気持ちで千鶴を見た。多分私たちは今、似たような表情をしていることだろう。
「約束ってさ、いつか大人になったら、例のあの場所……『星の降る森』の最深部でダークトレントを倒して、石碑の上に二人で立とうねって約束で合ってるよね? 千鶴」
「そう。ランク低いのにさ、こっそり『星の降る森』に入ろうとして大人の人にダンジョンの入り口で捕まったことあるよね」
「そうそう。今となっては止めてくれた大人の人に感謝だよね。南町の洞窟ならまだしも、あんな上級ダンジョン、子供だけで行こうなんて。バカだったなあ」
少し大人ぶって、感慨深い、という顔して、私はオレンジジュースをもうひと口飲んだ。柑橘の爽やかな香りと、甘酸っぱい味が口に広がり、冷たさが喉を潤しながら滑り降りていく。
「……約束、果たせなくなっちゃったね」
「うん……まさかダンジョンそのものが潰れてマンションになってるんだもん。土地開発しすぎでしょって思った」
そう言って、千鶴は悲し気にアイスカフェラテのグラスについた水滴を撫でる。少しずつテーブルに貯まっていくそれを、千鶴は几帳面に紙ナプキンで拭った。
その仕草がなんというか、少し大人びて見えた。私はストローを噛むという自分の子供っぽさを恥じる。わずかに噛んだ後が残っているストローをつまんでオレンジジュースに入った氷を突きながら、私は話を続けることを選んだ。
「私もね、さっき似たようなこと思ってた。千鶴のこと待ってる時、ここの大通り見ながら。色々変わっちゃったなーって思ってた。あの和菓子屋さん、覚えてる? 一昨年、おじいちゃんが亡くなって潰れちゃったんだって」
「そうなの? 茶道部の時めっちゃお世話になったのに……そういうのって、なんか、寂しいね……」
なんとなくしんみりとした空気を変えようと、私は窓の外、通りの向こう側に視線をやった。
役所の人だろうか。スーツの上に作業着を羽織ったおじさんが、似たような恰好の若いお兄さんを後ろに引き攣れて足早に歩いていく。パーティを組んで、依頼をこなしに行くところみたいだ。
「……ねえ、千鶴。引っ越し先でギルドって行った?」
「あー……まだだよ。そろそろ更新手続きしないとなんだけど、やっぱ地元とは違うと思うから。帰省でこっちにいるうちに更新してこうかなって思ってる」
「わかるかも。地元じゃないギルドってなんか緊張しちゃうよね」
そう言って肩をすくめると、千鶴も「そうだね」とくすくす笑う。ちょっと湿っぽい雰囲気が和やかになった気がした。
気持ちが穏やかになってくると、互いに話したいことが次々に溢れ、会話が途切れることがない。いつの間にか、私たちの話題は最近流行っているファッションの話になっていた。
「ねえねえ、千鶴さ、新作のアイテムポーチ出たの知ってる?」
「知ってるー! なんだっけアイテムほぼ無制限に入るやつでしょ? くすみパープルのやつめっちゃ可愛いよね」
「私そろそろ新調したいんだけどさー、その新作にしちゃおっかなって思ってて……」
「じゃあ後で駅前の防具屋覗いてみる? 美咲が暇ならだけど」
「行く!」
半分ほどに減ったオレンジジュースの下には水滴が溜まっていた。それを千鶴の真似をして紙ナプキンで拭った。それをぼんやりと眺めていた千鶴が、話したい事をまたひとつ思い出したのか「ねえねえ」と切り出した。
「駅前で思い出したんだけどさ、ここの駅前、ポーションショップできてるよね?」
「あるー! とうとう地元にも来たかーって思ってびっくりした。千鶴もう飲んだ?」
「こっちの駅前のはまだ。でもあれってさ、一時間並んでまで飲むほどかー? ……って考えたら微妙だよね」
「うんうん、それだったら調合スキルで自分で作ったの飲んだ方がコスパ良いよなって思っちゃう」
「美咲は昔から調合スキル高いからなー」
確かに、私は昔から作ることに関しては得意分野だ。逆に、作ることに関してはからっきしな千鶴が悔し気に唇を尖らせて頬杖をつく。本当は拗ねていないけど、拗ねたふりをする時の千鶴の癖だ。子供の頃からの癖を見つけて、私は嬉しくなって意味もなく笑った。
「なによ、美咲。笑って」
「んー? 千鶴も高校の時に生産系のスキルとっとけば良かったのにねーって思ってさ」
「そう! ほんとそれ! 生産系スキル、めっちゃ大事! 就職とかにも有利ってサークルの先輩に言われてさ。今頃後悔してるんだよね。なんで戦闘系のスキルにばっかり振っちゃったんだろー。もー……高校生に戻りたいー!」
千鶴の嘆きを皮切りにして、話題が高校時代のことに流れていく。
昼時のせいか、店には人が増えてきていた。喉を潤すために、私は少し水っぽくなったオレンジジュースをひと口飲んだ。酸味が強く感じられてこれはこれで嫌いじゃない。
「美咲知ってる? 高校の時の勇者やってた高橋君、今海外なんだってさ」
「え、組んでたパーティは? どうしたの?」
「なんか他のパーティの女の子に手出しちゃって、すっごい揉めて解散したんだって」
いや、売れないバンドかよ。
反射的にそう思ったけれど、声には出さないでおいた。一応、周りを気にして、私は千鶴の方へと顔を寄せて声のトーンを落とす。
「聖女やってた佐藤さんは? 確か勇者と付き合ってたじゃん」
「勇者、二股だったらしいよ。でも聖女の佐藤さんの方は、別れた後で護衛騎士の山本先輩とくっついたんだって。先輩、粘り勝ちだよね」
千鶴の方も私に合わせてひそひそ声で応えてくれる。私は「へぇー」と大袈裟に頷くと、前屈みの姿勢を戻して背もたれに寄りかかる。
「まあ、ありがちなやつだねー」
「勇者っぽいっちゃ勇者っぽいし、聖女っぽいといえば聖女っぽいよね」
「言えてる。でも残念だね、千鶴。勇者の高橋君、ちょっと好きだったじゃん?」
「恋愛感情じゃないって。ただの顔ファン」
「ファンではあったんだ」
「そう、顔だけは良かったからねー、勇者」
苦笑いを浮かべてそう言うと、ミルクティーを飲み干したらしい千鶴はストローで氷を突いてガシャガシャさせた。高校生の頃は氷まで食べてたけど、それはもうしないらしい。大人になったんだなあと思いながら、私は自分のオレンジジュースを飲み切った。
「てか、それで勇者は海外に逃げたんだ。今何してるとかって知ってるの、千鶴」
「あー……なんか高一の時、うちらのクラスに転生者来たじゃん?」
「転生者ぁ? あーいた気がする。高一の夏でしょ、確か。なんだっけ、大柴君だっけ。地味メンだけどやたら成績良くて何故か女子にモテてた……」
「最終的に大柴君の周りハーレムみたいになってたよね。まあ本人は女子とか興味ないって言ってたけど。でもモテるのもわかる気がする。ちょっとぶっきら棒だけど、背高いし真面目だし気遣いできるし? あとメガネ外すとイケメンなんだよね、大柴君」
「えー、そうなんだ! 知らなかった!……ってなんで千鶴はそれ知ってんの」
前のめりになる私に向けて、千鶴は黙って意味深に微笑んだ。
何だその笑みは。まさか自分もハーレムの一員だったとか言わないだろうな。
「こら、美咲。今変なこと考えたでしょ。たまたま隣の席だった時、授業中メガネ外してるの見ちゃっただけだって……で、優しい優しい大柴君は馬鹿勇者を見捨てられなくて、バディ組んで海外で暴走したゴーレム討伐してるんだって。何か海外でめっちゃ人気出ちゃって、帰るに帰れないらしいよ」
畳みかけるように出て来る情報を聞きながら、私はなんだか可笑しくなって堪えきれずに小さく声を上げて笑ってしまった。きょとんとした千鶴に何でもないと首を振る。
「……なるほどねえ。最近向こうで増えてるらしいもんね、暴走ゴーレム。まあうちらの高校、一応進学校だったし? 学年トップの大柴君と二股最低野郎でも勇者やってた奴のバディなんて最強に決まってるよね」
「ねー。で、美咲の方はどうなの? もう討伐とかやってないの?」
「やってないなー、元々向いてなかったし。ソロとか絶対無理。かといってさ、新しくパーティ組むとなると人間関係絶対しんどいじゃん。千鶴はどうなの?」
小難しい顔をして眉間に皺を寄せた千鶴は、白魚のような手をひらりと振った。
「ないない、爪折れちゃう。最近は家でできる装飾系のスキル上げばっかりやってるわ」
「あはは。千鶴らしい。てかさ、そのネイル、めっちゃ可愛い」
「ありがとー。これ、初めて行ったあっちのサロンで爪職人さんにやってもらったんだけど、めっちゃ上手な職人さんで良かったよー」
千鶴は嬉しそうにテーブルの上で爪を見せてくれた。可愛らしいけど落ち着いたくすんだピンクが、今日の装いにもよく似合っている。
「千鶴ってさ、元々センス良かったけど、今日会った時めちゃくちゃおしゃれになってて超びっくりした。都会行くと装備鑑定スキルとか上げる効率良いって言うけど、実際そうなの?」
「確かにそれはあるかも。なんか歩く人みんな装備おしゃれに見えるんだもん。目が肥えるって言うのかな? あと流行りの物とかがすぐ手に入るっていうのもあると思う。大学に全身ハイブランドの防具装備した子とかいてびっくりしたよ」
「えー、なになに、アダマンタイトとか?」
どこか神妙な顔をした千鶴が首を横に振った。
「ミスリルだよミスリル。あっちだと普通に高校生からハイブランドのもの持ったりするみたい」
「えー?! そうなの? 待って、じゃあ千鶴も持ってたりするの?」
「実は……」
首元に手をやった千鶴がちらりと見せたのは、可愛らしい花をモチーフにしたネックレスだ。
それにしても。千鶴が買うにしては可愛らしすぎるような。そこまで考えて何かを察して、私は口元に手を宛がった。
「えっ、何、彼氏のプレゼントでしょそれ!」
「違いますー、モンスターからのドロップ品でーす」
「いや、都会のモンスター、ドロップ良すぎじゃない?! こら、嘘つくな、彼氏なんでしょ!」
問い詰めると、千鶴は観念して少し頬を染めて、こくりと頷いた。
幸せそうだから、まあいいかとも思ったけれど、すぐに教えてくれなかったのが寂しくて、私は拗ねたふりをしてテーブルに突っ伏した。
「あーあ、私も千鶴も、いつか薬指にオリハルコンの指輪とか装備するようになるのかなー」
「まあ、夢ではあるけどね。オリハルコン。私はまだいいかな」
言いながら、千鶴はネックレスを服の下に大切そうに仕舞った。それが少しだけ羨ましいと思った。
「……錬金スキルあげないとなー」
「何、美咲はプレゼントじゃなくて自分で錬成する気なの?」
「だってあてがないもん。いっそギルドの掲示板に依頼だそうかな」
「彼氏募集の依頼?」
「彼氏募集の依頼」
一瞬見つめ合って、私たちは同時にぷっと噴出した。そして「ないわー」「ないない」と言いながらくすくすと笑い合う。
他愛のない話をするのが楽しくて、仲の良い友達とこうしていられるならもうしばらく恋人なんていらないな、なんて思いながら、私はテーブルから身を起こした。丁度よさそうな次の話題を思い付いたからだ。
「ねえねえ千鶴、中二の時、修学旅行の奈良の山にいた氷のドラゴンって――」
「失礼いたします。ご注文のパスタセット、お待たせいたしました」
私たちの時が停止する。ギギギ、と音がしそうなほどぎこちなく声がした方を見れば、お手本のような笑顔を顔に張り付けている店員さんがそこにいた。その視線が微妙に痛い。
「あ、ありがとうございまーす……」
「空のグラス、おさげしますねー」
何の話してたんだこいつらと思っているだろうに、店員さんはそれをおくびにも出さない。プロだ。私たちは愛想笑いで誤魔化して、二人してわたわたとパスタセットを受け取った。
「ごゆっくりどうぞー」
伝票を置いて店員さんがいなくなると、私たちの席には出来立てのパスタセットと、妙な気恥ずかしさだけが残った。お互いに現実を直視できなくて、それぞれ互い違いの方に視線を向けている。
ふいに千鶴が俯いた。その肩は小刻みに震えていた。
「……奈良、ドラゴンいるんだ……」
その消えそうな震える一言を聞いた私は、堪えきれず、千鶴と同じように俯いて笑いをこらえる羽目になった。
「……うるさいよ。もう、千鶴の出会い頭に適当なこと言う癖、相変わらずなんだから」
「そこに全力で乗っかってくれる美咲もね。でも最初、全然ピンときてなかったみたいだから、焦ったわ」
「ブランクあるんだから許してよ」
何を隠そう、私たちには会ったらまず『ない話』をする癖がある。別に、そうしようと約束しているわけでもない。話の途中から、いつの間にかそうなっているのだ。
ある時は貴族の娘たちの世間話。ある時は異世界に旅行してきた話。またある時は、転生したらありえない設定だった件について。設定は千鶴と『ない話』をした分だけ存在している。
ついつい夢中になって話し込んでしまって、さっきのように恥ずかしい思いをすることもしばしばだった。『ない話』なのに、ぽんぽんと会話が続くのが妙に楽しくて、可笑しくて、心地が良くて。やめられないのだ。
「ふふ、成人女性が大真面目な顔して『氷のドラゴン』とか言ってるのに出くわした店員さんすごい可哀想」
「千鶴が始めたことでしょ」
「いやー? ノリにノった美咲も同罪でしょー。闇でもなく光でもなく、氷属性ってとこがまたいいよね。中二病拗らせてる感じがしてとても好き」
私のこだわりを見抜いてくれた千鶴に、「さすが千鶴」と親指を立てると、彼女は「任しときな」といたずらっぽく笑った。
私たちはほとんど同時にフォークへと手を伸ばす。千鶴が「盗られる前に腹ン中に仕舞うのがここの流儀だぜ」なんて、まるでファンタジーの世界の安い酒場にいる荒くれ者みたいな顔で言い出すものだから、笑ってしまってなかなか食べられなくて困った。
私たちが大学に行くためにこの街を出て数年。街並みも、私たち自身の見かけすらもあの頃から変わってしまったけれど、私も幼馴染も、中身は何ひとつ変わっていない。
私はそれに心の底から安堵していることに気が付いて、つんとなる鼻をやり過ごすために少し多めに巻いたパスタを頬張った。
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