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俺は今まで一度も女神とお手合わせした事がなかった。
しかし逆にC地区の話を聞いて彼女に興味を持ち始めた。
俺は初めて女神に相手して貰う事になった。
「マサさんも、いよいよッスか!」
と、テルは興奮気味に言ったが、必ずしもそれ目的ではなかった。
とはいえ、あまり詳しい事を聞く訳にもいかない。
暫くハウスで待っていると外から女の声がした。
「こんばんは、始めまして、レイです。お邪魔してもいいですか?」
透き通った声だった。
遠目で見て聞いているだけだったので、いざ、自分に話しかけられているんだと思うと、流石に背筋がゾクゾクした。
「あ、、あぁ、どうぞ、中へ。」
俺は狭苦しくむさ苦しい我が家へ彼女を招き入れた。
「始めまして、でいいんですよね?マサさん?」
彼女が笑顔で聞いて来る。
確かにいい女だ。
艶もあり、若い。整っているしスタイルもいい。
そりゃ皆が夢中になる訳だ。
「何で俺の名前を?」
適当に座る場所を確保する為に、乱雑に片付けながら言った。
「テルさんから、兄貴分だと聞いてます。お世話になってるって。」
可愛いのか、美人なのか?
ともかく人を惹き付ける大きな瞳、それと何とも言えない妖艶さがある。
だから万人受けするのか、、、
「あぁ、なるほどね。」
俺はしげく観察しながら、乾いた返事をする。
「今日はどうして会ってくれようって思ったんですか?」
彼女は足元のスカートを整えながら正座し直す。
沢山の汚ねぇ男に体液付けまくられてるはずなのに、女は何故かいい匂いがした。
「さてね、暇潰しというか、単に興味かな?」
目の前に座られると目線の居場所にやたらと困った。
目を見ると吸い込まれそうだし、敢えて外しても悲しい男のサガか、女のやたら細くて白い首筋や手首、柔らかそうな胸にどうしても目が行く。
狂って行くとはこういう事からなんだろうか、、、
抗えない、というか、飲まれていく、というか、、
不思議な空気を作り出す。
「ふふっ、嬉しいです。興味を持ってくれて。何に興味を持ってくれたんですか?」
彼女は少し距離を詰めて俺の顔を覗きこむ。
大きな瞳で俺を飲み込もうとしている。
何かを見透かされている様な気がしてくる。
俺は平静を保とうとした。
保っているはずだった。
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