ホームレスハウスに舞い降りた性天使【第2章】

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その日の晩に水玉模様が鮮やかなワンピースを着た若い女が公園に入ってきた。 皆厳つい目でその女を追い払おうとしている。 それでも怯まず女が歩いてくるので、流石にここのNo.2であるマッチョが彼女の前に立って言った。 「ここはあんたみたいなんが来る所じゃねえんだよ、帰んな。」 ギロリと睨みを効かせる。 細い女はだいぶ身長差があるマッチョの目を見て言った。 「B地区のやまちゃんさんから伝言がありまして、、、」 B地区の?やまじぃ? あの地区の主である。 皆がザワザワッと色めき立った。 その言葉を聞いてマッチョは少し考えた。そして言った。 「待ってろ、ここで。動くなよ。」 マッチョが女に向かって言った。 一人になった女を舐めるように皆が見つめる。 「これが、言ってた、やらしてくれるべっぴんさんか?」 「まぁ、やまじぃの話が本物だったらそうだろうよ。」 「まさか、、あの女が?俺らと?あり得ねぇわ。」 「胡散臭ぇ、ケツの毛までむしられるぞ。」 皆がそれぞれ会話する。 「にしても本当にべっぴんさんだなぁ。」 「あれとやれるんだったら風俗以上のタマじゃね?」 「ないないない、だとしたら絶対訳ありだって、ビッチか病気持ちの淫乱か。」 「かもなぁ、だとしたらやまじぃは何の伝言して来たんだ?」 「わかんねぇよ、そんなもん。」 暫くしてマッチョが女の所へ戻って来た。 「付いて来い。」 言葉少なに女を誘導する。 促された場所はA地区の代表を務めるシャドーさんの所だった。 シャドーさんは昔ボクサーだったから、マッチョは見たままマッチョだからそういう名前が付いたと聞いた事がある。かなりどうでもいいが、、、 しかし、シャドーさんとやまじぃだったら格上なのはやまじぃだ。 勿論力業ならシャドーさんだが、それなりの立ち居ちってのがあるみたいだ。 やまじぃの伝言と言われればシャドーさんは聞くしかない。 シャドーさんはハウスの隣にある垣根に座って煙草をふかしていた。 好奇の目が集中してる中、マッチョがこちらを睨んで言った。 「暫く近寄んなよ、お前ら!」 軽い人払いである。 シャドーさんと女は垣根に隣合わせに座り、目を合わせる事なく女の話を聞いていた。 流石に遠すぎて何を話しているのかは全く分からないが、シャドーさんは全く顔色も動作も変える事なく、真っ直ぐ向いて天に煙をはいていた。 暫く経ってシャドーさんが女を連れてこちらの群衆に近づく。 そこでマッチョがでかい声で言った。 「皆聞けーーー!」 わらわらと散らばっていた人間も集まる。 基本的に体育会系なここのホームレス達はこのマッチョのでかい声がサイレンでもあり、合図でもあった。 あまり興味のなさそうな人間も集まらなければならない、うちはそういうルールだ。 マッチョの隣に女が立っている。 美女と野獣というのはこういうコンビの為にあるセリフの様だ、と思った。 その後ろに気だるそうなシャドーさん。相変わらず咥えタバコで両手はポケットだ。 マッチョの横に立つ女は更に華奢に見えた。 化粧っ気はないが、清潔そうな美人だった。 これが訳あり?淫乱? 皆、困惑して注目する。
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