ホームレスハウスに舞い降りた性天使【第2章】

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それからC地区へ彼女は行ったのか? 普通は訪れはしないだろう。 あんな目にあって、彼女もまた被害者でありながら関係者だ。 でも彼女は来た。 いつもと違うのはいつもと同じワンピースなのだが、初めて真っ黒なワンピースを着て花束を抱えていた。 そして公園の真ん中にその花束を置いて帰って行った。 その様を見ていた連中は、流石に懲りたのか、彼女に一言も声をかける事なく、目を合わせる事もなく、逆に、あの時の光景が浮かんで来る様で、無意識のうちに避けていた。という方が正しいのかも知れない。 それから二度と彼女がC地区へ行く事はなくなった、という。 それからのC地区の荒廃と粗暴さは加速して行った。 隠蔽された男の身体は、結局誰が隠蔽したのかも、どこに連れて行ったのかも、誰も知らない。 いや、知らないと言う事にしておかなければならない、というのが正論か、、 最高の性欲の捌け口の天国からの、急な地獄。 犯人が誰だか、理由も分からない猜疑心。 迂闊に出来事を酔って喋ろうものなら、多分明日自分の命はないかも知れないという見えない恐怖。 誰もが信じられない孤独。 けれど、その沼からは逃げられない地獄。 そりゃ生きてる気がしないだろう。 誰が彼等を救うのだろう? 女神を冒涜した罪なのか? それも分からない。 けれど、女神を蔑ろにしなかった地区は未だに、いや、以前より安泰なのだから、あながち完全に勘違いという事もないだろう。 何故なら、あの強姦、輪姦、獣の山が出来てなければ、決してあんな惨事はなかったのだから、、 強欲のツケとしては甚だ厳しすぎる。 俺はC地区の話を聞いて縮み上がった。 あの女は天使なのか? 悪魔なのか? これだけの男達の人生を変えるなんて、、、 そんなC地区の現状を体験しているのに、あの女は天使の様な顔をして、他の地区を周り、笑顔を振り撒いている。 何事もなかったかの様に、またホームレスに抱かれる。 多分C地区の内情を知っている奴は殆どいない。 だが、俺は聞いてしまった。 けど、誰にも言えるはずもなく、今まさに目の前で繰り広げられている、女神天国をB地区の奴等は堪能している。 テルは今日もご機嫌だ。 周りの人間も幸せそうだ。 男を活かせるという事が、こんなにパワーになり、惨劇も生む事になるとは、、、
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