ホームレスハウスに舞い降りた性天使【第2章】

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「B地区にえらいべっぴんさんが来て、やらせてくれるってよ!」 にわかには信じがたい噂が流れた。 「な、訳ないだろ、何寝ぼけてんだか。」 「また役所か、でなければ美人局とかしゃねぇの?上手い話しにゃ必ず裏があるっての。」 誰も信じてはいなかった。 我々ホームレスの時間は非常にゆっくりと流れているが、大した娯楽もないからこそ、逆に地域の噂等は直ぐに面白おかしく直ぐに伝わる。 「いや、マジらしいぞ、詳しくはわかんねぇけど、無料で、こんな汚ぇチンコでも平気で咥えてくれるんだってさ!」 そいつはかなり鼻息荒くしてまくし立てるが、将棋を打つ者、ガラクタを分別している者、ハウスの補修をしている者、洗濯物を鉄棒に干している者、誰一人としてまともに受ける人間はいなかった。 確かにホームレスを狙って美人局する女に被害にあった話は聞く。 たまに公園に来る、まともな若い女は宗教だったり、危なげな仕事の誘いだったりして、ろくな話しか聞いた事がない。 だから信じようにも信じられないのだ。 我々は身分を明かす事の出来ない、したくない者の集まりだ。 だから下手なトラブルに巻き込まれても、最悪命を取られても文句一つ言えない。 ヤクザに連れていかれた奴は二度と戻って来なかった。 元々人間関係やら社会やらに疲れて、ここへ流れてくるのだから、出来れば人と関わりたくない。 地区にたむろうのは、自分の命を守る為の最小限の社会だ。 だから隣の奴が生きようが死のうが、あまり興味はない。 好きな時に起きて、好きな時に小遣い稼いで、好きな時に眠れればいい。 いくらホームレスでも一人きりになるのは危険だ。 特にこのA地区は歓楽街に近い事もあり、食料調達や仕事には便利だが、たまに酔っぱらいがやって来てホームレスを殴ってストレス解消していく奴等もいる。 野良は格好の餌食だ。 身ぐるみ剥がされた上ヤクザに拉致される。 何人それでここの人間が静がに消えていった事か、、、 警戒心だけは、この辺の地域では一番高いとも言える。 舐められると負けなので、この公園に住まうホームレスはやたらと屈強な奴が多い気がする。 べっぴんさんの話はその場の笑い話しになり終わった。
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