結ばれない二人だから

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「お前は結婚して、幸せな家庭を作れ」 セックスを終えた後、涼が匠に言うが、この状況で全くもって説得力が無いのは自覚している。 匠は涼の言葉に何も返さない。 「こうしてセックス出来るんだから、彼女とも出来るよ」 「自分は挿れる方じゃない」 また “自分” 呼びになり、 “僕” の方が可愛いのにと内心思い、がっかりする涼。 しかもタメ口になっていて、それはそれで可愛い、とか思ってしまう。 「ちょっと、流石に挿れる練習はさせられないな、俺」 受けは絶対無理、と宣言する涼。 「シャワー浴びてくる」 「自分も!」 涼に続いてベッドを出た匠が、全裸の涼にしがみ付いた。 「シャワー室は狭いから、お前は下で風呂入れ」 「じゃあ、一緒に下のお風呂に入りましょう!」 なんか、大胆になったなお前、と匠を見る。 「僕と一緒に入ろう、って言ったらいいよ」 “僕” 呼びとタメ口をさせようとする。 え?と顔が赤くなりながらも、一緒に入りたい匠は下を向いてモゴモゴとした。 「え?なに?マジで聞こえねー」 「僕と一緒にお風呂に入ろう… 」 恥ずかしくて俯いたまま言った匠が可愛くて、頬を撫で回す。 「俺には自分の事、 “僕” って言えな」 「どうしてですか?」 「可愛いから」 涼の言葉に真っ赤になる。 あと敬語も無しな、と言われて何だか嬉しい匠がボディタオルで涼の背中を流す。 今更だが、着痩せをする涼の背中が、見た目よりも大きく逞しくてドキドキする。 「俺もお前の背中流してやるから」 ボディタオルに泡を付けて匠の背中を擦るが、当然、変な気分になる。 「こっち向けよ」 シャワーチェアーに座る匠を自分の方に向かせると、涼が立ち上がり、目の前に硬く大きくなった立派なモノを見せつけた。 「しゃぶって」 下から上目遣いで涼を見ると、コクンと頷き口に含む。 正直、全く上手じゃない。そうじゃない、そこじゃない、と涼は思うが、それでも一生懸命にしゃぶる匠の姿が堪らない涼は、酷く興奮する。 暫く匠の動きを見ていたが、我慢できなくなり頭を押さえ付けて涼は腰を動かした。苦しそうな顔をする匠にまた唆られる。 「んんッ!」 匠の口の中に思い切り放出した。 「ごめん、出しな」 匠の頭を撫でながら言うと、匠がゴクンと飲み込んで幸せそうな顔をする。 「ばか、いいんだよ、そんな事しなくて」 匠が可愛くて、愛しくて堪らなくなってしまった涼は、消え入りそうな笑顔で匠を見た。
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