退屈な一日

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退屈な一日

   一  久しぶりの連休だ。しかも、三日ある。しかしせっかくアラームもかけずに昼すぎまで寝ようと思ったのに、結局午前中に目が覚めてしまった。とりあえずベッドから起き上がり、顔を洗って歯を磨く。洗濯機を回し、その間に朝食をとることにした。  コーヒーを入れてトーストを焼き、スクランブルエッグも作る。そしてぼんやりとテレビのニュースを流し見ながら朝食を食べた。  しばらくして洗濯が終わったので、それらをベランダに干した。  さて、やる事が無くなった。いや、無いわけではないが、部屋の掃除や片付けまで今やるのは、少し面倒くさい。  なんとなく、ベランダから外をぼうっと眺めてみた。いい天気だ。近くの公園で遊ぶ子供の声が聞こえる。カラスの声が聞こえる。遠くで、電車の走る音がする──。  部屋に戻り、二杯目のコーヒーを入れる。空気を入れ替えるため、窓は開けたままにしておいた。ときどき入る風が気持ちいい。  晩夏。まだ暑いが、ジリジリと照りつけるような暑さは、幾分落ち着いてきたように感じる。秋の気配も、僅かながら見え始めてきた。  ふとテーブルの上に置きっぱなしになっていた本に目がいった。図書館から借りてきた本だ。返却期限を確認してみる。……しまった、昨日だ。栞の場所を見ると、もう少しで読み終わりそうだった。これを読んでしまって、今日は図書館へ行くとしよう。
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