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「私、モモちゃん、お持ち帰りした?」
恐る恐る、隣の膨らみを確認する。濃紺のシーツに溶け込むように散らばる黒い髪。マスカラ要らずの長い睫毛。すっと通った綺麗な鼻筋。上唇がちょっと尖ってるのほんと可愛い――じゃ、ない!!
やばい。やばい。まじで。
(これ、ヤったよね?!ヤっちゃったんだよね?!)
いや待てよ。てかここどこだ。私の部屋ではない。ラブホって感じでもない。え、まさかのモモちゃん家?もしかしてお持ち帰りしたんじゃなくてされた?いや、いやいや、まてまて。落ち着け。
まず、モモちゃん未成年じゃん。あの後、ポテサラに絶妙な量のソースをかけて持ってきてくれたモモちゃんがこのままバイト上がるって言うから、隣の席に無理やり引きずり込んで、それで、どうしたっけ。世間話だけで済んでないからこうなってんだよね。
えーっと、モモちゃんは高校生で、他にもコンビニとバイト掛け持ちしてて、あ、そうだ。私のこと一ミリも知らなかったんだ。
『はあ、そういうの疎くてすみません』
ぜんっぜん「すみません」って顔じゃなかったよなあ、あれ。てかコンビニでバイトしてんなら雑誌コーナーちゃんと見とけよ。一応まだ表紙飾らせて貰ってることもあるんだが?!ちくしょう!!
「………ん、」
ヒエッ。な、ななななにいまの色っぽい声。眠る十八禁じゃん。
うん。これやっぱり私がヤってんな。喰ってんな。やばい。もうやばいしか言えないやばい。やばい。でもモモちゃん高三って言ってたから誕生日次第では十八きてんのか。ギリセーフ?結婚する?
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