君と交わしたあの日の約束

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 優はそれから仕事が終わってからと、週に一度の休み日には町中を歩き、未来へ帰る手がかりを探した。もちろん、丸山書店にも何度も立ち寄った。 「あら、優ちゃん来たのね?」 「あ、恵子さん。どうも」 「この前の本どうだった?」 「すごく面白かったです!」 「あら、本当?よかった」  未来から来たとはまだ誰にも言っていない優は、本が好きという程でこの古本屋に訪れている。普段は本を読まない優だったが、いざ読んでみると面白くて、最近は寝る前に読むのが日課になっていた。 「あ、そうだ。この本読んだことある?」 「いえ、ないです」 「この本、随分古い本なんだけど面白いのよ。この緑ノ浜町の歴史を語り継いだ内容なの」 「そんな本もあるんですね。読んでみます」 歴史小説。ほとんど読んだことのないジャンルだったが優は読んでみることにした。  
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