図書室の奥

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それは何気ない日常から、始まった。 「修学旅行、京都だってよ。」 「うっそ〜、だっさ〜い!海外じゃないの〜」 朝礼が始まる前、友達の加茂ときわと、源光清がこっそり教えてくれた。 「紅葉(クレハ)。どう思う?」 「どう思うって……学校で決めたんだから、しかたないじゃない。」 そりゃあ私だって、海外に行きたかった。 でも決まってしまったものは、どうしようもない。 「はい。静かに。」 担任の神崎先生が、教室に入ってきた。 「さあ、皆さん。お楽しみの修学旅行が、もうすぐに迫ってきましたね。」 先生はやたら、テンション高めだ。 「神崎ちゃん。今回の修学旅行で、実家の旅館、使って貰えるみたいだよ。」 「どうりでね〜」 椅子に反り返ったり、机に伏せたり、二人は自由だ。 「って言うか、光清もときわも、なんでそこまで先生の事知ってんの?」 グテグテしている割りには、二人とも細かいところを知っている。
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