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やがて廼宇は顔から離れて下がり、俺の寝着の帯を解いた。薄衣の合わせも緩めれば聳り立つ根が露わになる。当たり前のように口に含んだ。
「ん……そのようなこと、しなくて良いと……言っているだろう」
廼宇は時々、これをやる。俺は廼宇には頻繁にやる。
なぜなら俺は廼宇を乱すのが好きだからだ。だが俺自身が乱れ、その様を見られることはあまり好まぬ。
だから廼宇にはしなくてよいと言っている。
「彼女に見せたそうですね。……見ても怯えるだけだったろうに。俺なら、俺ならこのように出来たのに。俺が、したかったのに」
そうして喉の奥に転がした。
男ならではの勘所なのか、扱いがとてつもなく上手い。
素の態と、上手さと、見当はずれな嫉妬。……俺にはかようなことへの耐性がない。廼宇に激しく求められる、嫉妬で責められる、そんなこと。
……本当に、耐性がないのだ。
戸惑いのうちにも歓びの情動が突きあげ、なんといきなり果ててしまった。
廼宇は驚いた顔のままに飲み込み、続けて丁寧に舐めつくした。
この、俺が。俺としたことがこれほど早く終わるだなどと。
我ながら恥じらいを押さえられずに廼宇をちらりと見れば、その瞳は未だに淫靡に燃えている。当然だ、俺しか終わっていないのだから。
「湯に行って来てもよいでしょうか」
「もちろんだ」
俺は答えて、ごろりと寝所に寝転がり気を整えた。
湯から戻った廼宇を、俺は文字通り滅茶苦茶にした。
何度終えても放さなかった。お前は俺のものだ。お前は俺のものだ廼宇、そう言ってただひたすらに抱いた。ああこの世には、かくも気の狂うほどの幸せがあるものか、と、思った。
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