第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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社長、その中性的な顔で覗かれたら、ズルいでしょ。 「ところで、凄いね。支店を言っただけで、稟議書の金額と営業成績まで言えるなんて、なかなかの仕事だよ。」 「ありがとうございます。」 取り敢えず、仕事を認めて貰えた。 「よかった。君を雇って。」 「えっ?」 「ああ、昨日。面接した時に、俺もいたんだよ。君の後ろにね。」 ええっ!? そんな事ってあり!? 「クールそうな表情で、秘書の仕事を語るから、最初はどうなのかなって思ったけれど、選んでよかった。」 顔が、赤くなるのが分かる。 私、そんな事言われたの、初めてだ。 「良いパートナーが見つかったよ。これから、飲みにでも行こうか。」 その言葉に、私はハッとした。 「私は、社長とプライベートを一緒に過ごす事は、ありませんから。」 「えっ……」 思いっきり頭を下げて、自分のデスクに戻った。 そうだよ。 仕事とプライベートは、きっちり分けなきゃ。
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