第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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それから私は、社長に仕事中は、付きっきりだった。 「次の仕事は?」 「営業部の部長達と、会議です。」 代表取締役に就任したばかりの社長は、大忙しだ。 「それから、今夜は日向社長との夕食会が入っています。」 「日向社長って?」 「事務用品のペリーズの社長です。」 夕食会の相手をリサーチするのも、秘書の役目だ。 「君は来ないのか。」 私は迷った。 確かに、夕食会は仕事だ。 「……残業代が出るのであれば。」 「出さなきゃ、労働基準監督署に言われるだろう。」 「では、行きます。」 本当は遅い時間まで、この社長と一緒にはいたくないんだけど。 高身長で、イケメン。そして社長。 ハイスペックなこの人に、一瞬でもドキッとした自分が、愚かに思う。 7歳も年下だと言うのに、有り得ない。 そして私は、二度と”社長”とは、恋愛しないと決めたのだ。
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