第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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「こんばんは。」 その秘書の方に、挨拶をされた。 「初めましてですよね。真田の秘書の依田と申します。」 「砂川です。宜しくお願いします。」 眼鏡をかけて、知的な感じ。 私と同じくらいの世代かな。 さすがは日向社長。若手の育成にも頑張っているんだ。 「どうぞ、こちらのお部屋です。」 「ありがとうございます。」 見て見ると、食事の用意は二人分だけだった。 それを見て、私と砂川さんは、部屋に入らずに廊下に座った。 ふと砂川さんと目が合う。 ニコッと笑った砂川さんに、私も微笑み返す。 「どうです?私達も、別室でお食事でも。」 「えっ……」 「さあ、遠慮せずに。」 砂川さんに腕を掴まれ、無理矢理立たされた。 「あの……すみません。私……」 一瞬、社長を見たけれど、今は日向社長との話に夢中だ。
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