第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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「分かった。」 そして、日向社長は砂川さんを、怒りに行った。 「社長、ありがとうございます。」 まさか、年上の人相手に、ここまでするとは思っていなかった。 「いいんだよ。社員を守るのは、社長の仕事だからな。」 その柔らかい笑顔に、キュンとした。 「……社長、毅然としていて、カッコよかったです。」 「本当?ほら俺、チャラく見られるから、よかった。」 私は社長に、はにかんだ笑顔を見せた。 「何それ、反則。」 「えっ?」 その時、日向社長が戻って来た。 「申し訳ない。どうもイイ女を見ると、直ぐ口説く癖があって。よく叱っておきましたから。」 イイ女と言われれば、私も怒りようがない。 上手いな。やっぱり社長と言われる人は。 「どうかな。お詫びに、一緒に食事でも。」 私と社長は、顔を見合わせて笑った。
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