第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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こんな社長とコンビを組むなんて、私、大丈夫か? すると早速、社長のスマートフォンに電話がかかってきた。 「ああ、ありがとう。これからいろいろ教えて下さい。」 内容から察するに、社長就任のお祝いの電話だろうか。 「もしもし、桃子?ありがとう。これからも宜しく。」 ん?桃子? 「もしもし?あっ、里美か。うん、ありがとう。これからも宜しく。」 電話を切った社長に、思い切って話しかけてみる。 「真田社長。今のお電話は……」 「友人からだよ。社長になっておめでとうって言う電話。」 「ご友人にしては、随分親しい間柄だと思えましたが。」 「あはっ!バレた?」 この軽い感じは、何なのだろう。 社長って、もっと落ち着いた感じの人なのではないのか!? 「ところで、私の席はどこでしょう。」 「適当に使っていいよ。」 「畏まりました。」 適当にと言われても、余っているデスクは、社長室の入り口にあるカウンター付きの、あの場所しかない。 そのデスクに行ってみると、一応パソコンはあるみたいだ。
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