第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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社長と花音ちゃん、一緒に食べたフレンチは、今まで食べた中で、一番美味しかった。 もちろん、お会計は社長持ち。 3人分だから、結構な値段だ。 「じゃあ、柚季。ありがとうね。」 「ああ。」 食事が終わった花音ちゃんは、手を振りながら帰って行く。 私は、手を振りたいのを我慢して、頭を下げた。 そして、社長と二人きり。 緊張する。 「社長、ご馳走様でした。美味しかったです。」 「ああ、それはよかった。」 あんな高いフレンチ、ご馳走になったんだもの。 お礼をしたいけれど、私に高級フレンチは無理。 「えっと、今度は私がご馳走させて頂きたいのですが……」 「えっ!?」 社長は、物凄く驚いている。 ごめんなさい。期待を裏切るけれど。 「……高級店には、連れていけません。一般的な居酒屋で宜しいですか。」 「ぶはっ!」
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