第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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なぜか社長、ウケている。 どうして? 「あのさ。君って、素直に人の好意を受け取れないタチ?」 「えっ……」 「こういう時はさ。ありがとう、美味しかったです、でいいんだよ。」 「はい。」 私は社長から目を反らした。 考えてみれば、今まで奢ってもらったら、奢り返さないといけないと思っていた。 相手の喜ぶ姿を見るだけで十分という社長は、心が広い。 「ありがとうございます。では、タクシーを呼びますね。」 私は道路の側に寄って、手を挙げた。 タクシーは、直ぐに捕まった。 「社長、乗って下さい。」 「ああ。」 社長をタクシーに乗せると、私はタクシーのドアを閉めようとした。 「待って。」 「はい?」 社長は、こっちを覗き込んだ。
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