第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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そんな事を考えていた。 「今日の食事、楽しかった?」 「はい。」 「それはよかった。花音はお喋りだからね。いろいろと話すから、どうかと思ったんだけど。」 「いえ。それはそれで楽しかったです。」 撮影秘話など話してくれて、花音ちゃんの話は、興味深いものとなった。 あれだったら、社長も夢中になるのが分かる。 「それにしても、石坂さんともっと一緒にいなくて、よかったんですか?」 「どうして?」 「だって、お二人は結婚の約束をされているんですよね。」 「あはっ!」 社長は、笑っている。 「花音はね。俺にとって、幼馴染みみたいなものだよ。」 「幼馴染み……」 「結婚の約束も、子供の時の話。今日、その話が出て、びっくりした。」 どうやら社長の中で、花音ちゃんは婚約者だとは思われていないらしい。 「でも花音に、そんな子供染みた話って言ったら、傷つくだろ。彼女、傷つくと仕事に支障出るんだ。」 「そうなんですね。」 花音ちゃんの事も考えてあげられる。 社長は、すごいと思った。
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