第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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タクシーが、社長の自宅に着いて、私達はタクシーを降りた。 「入って。」 社長の自宅は、意外にも一軒家だった。 25歳で、一軒家を持つなんて、やっぱりお坊ちゃまだ。 階段を昇り、家の中に入る。 「お邪魔します。」 「ああ。」 広い玄関。白を基調にして、清楚な感じが広がる。 靴を脱いで、スリッパに履き替えると、直ぐにリビングが飛び込んできた。 「そこに座って。」 社長は、大きなソファを指さした。 「コーヒーでも淹れるよ。」 「あっ、私が淹れます。」 荷物をソファに置いて、私はキッチンに向かった。 「初めて来た時ぐらい、俺に淹れさせて。」 また胸がキュンとした。 何?さっきから、私どうしちゃったの? 社長相手に、7歳も年下の男子にキュンキュンするなんて。 30歳も超えているのに、恥ずかしい!
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