第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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「ところで、君。いくつなの?」 社長は、ニコニコしている。 「女性に、年齢を聞くものじゃありませんよ。」 「いいじゃん。綺麗なんだし。」 思わず眉がピクッと動く。 綺麗だと言われて、不快な思いにはならない。 自分でも、肌の手入れはしている方だと思う。 「ありがとうございます。」 「ねえ。いくつ?」 何故か馴れ馴れしい態度で、私の年齢を聞いてくる社長が、面倒に感じる。 「……32歳です。」 「へえ。年上か。」 思い違いか、社長が私をじーっと見ている。 「秘書の仕事は、経験あるの?」 「はい。5年くらいのキャリアはあります。」 急に仕事の事聞かれたから、真面目に答えてしまった。 「じゃあ、俺よりも社長の仕事は、慣れてるね。」 あっ……もしかして、私の事頼ってくれている? そうだよね。昨日、社長になったばかりだもんね。
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