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「駄目です。適当に処理して……っと。」
私は口を手で覆った。
まずい事言った私?
「そうか。俺、期待されてないんだなぁ!」
社長は、椅子に大きくもたれかかった。
「すみません。私が余計な事を言ったばかりに。」
「いや、現実を知ってよかったよ。」
微笑む社長は、ちょっと寂しそうだ。
それはそうだよ。
お父さん、倒れてこれから一生懸命頑張ろうとしてるのに、それを適当にしろだなんて。
こうなったら。
「頑張りましょう!社長。」
「お、おう?」
私が、この会社の事を知って、もっと若い社長の力にならなきゃ!
それでこそ、社長秘書よ!
「社長、他の稟議書、明日まで待って頂けますか。」
「ああ、君が言うのなら、待つよ。」
私は、社長室を出ると、これまでの稟議書と、売上報告書を照らし合わせた。
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