第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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「駄目です。適当に処理して……っと。」 私は口を手で覆った。 まずい事言った私? 「そうか。俺、期待されてないんだなぁ!」 社長は、椅子に大きくもたれかかった。 「すみません。私が余計な事を言ったばかりに。」 「いや、現実を知ってよかったよ。」 微笑む社長は、ちょっと寂しそうだ。 それはそうだよ。 お父さん、倒れてこれから一生懸命頑張ろうとしてるのに、それを適当にしろだなんて。 こうなったら。 「頑張りましょう!社長。」 「お、おう?」 私が、この会社の事を知って、もっと若い社長の力にならなきゃ! それでこそ、社長秘書よ! 「社長、他の稟議書、明日まで待って頂けますか。」 「ああ、君が言うのなら、待つよ。」 私は、社長室を出ると、これまでの稟議書と、売上報告書を照らし合わせた。
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