第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

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「そうかな。悩んでいたって、結局する事は一緒だから。」 私は、目をパチパチとさせた。 一瞬、社長がイイ男に見えた。 嘘ウソ、そんなはずない。 でもいや、待てよ。 イケメン、高身長、社長、収入は社長になったばかりだから分からないけれど、高収入は約束されている。 もしかして、ハイスペック男子⁉ 「次は、仙台支店。」 「はい。仙台支店は、稟議書の金額は少ないですが、結果は稟議書の2倍上げています。」 「と言う事は、この稟議書はOKだな。」 社長は、ポンと捺印を押す。 「次は、札幌支店。」 「はい。札幌支店は……」 こんな事を繰り返しながら、次々と稟議書の採決をしていった。 今まで溜まっていた稟議書、全部採決し終わったのは、夕方だった。 「やっと終わりましたね。」 「ああ。」 すると社長は、私の顔を覗き込んだ。 「疲れているのに、よく頑張ったね。」 胸がキュンとなる。
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