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声に振り返ると、警官が立っていた。
それはそうか。
路地裏とはいえ、朝で通行人も多い。
殴ってしまったから、俺は捕まるかな。
まぁ、それも仕方ないか。
「あ、お巡りさん!コイツが殴ってきて!」
まぁ、そうなるよなぁ。
仕方ない、事実だしな。
「違います……潮崎さんは私を助けてくれたんです」
逆波さん………
「元々は、私が髪を引っ張られていたんです」
「は?バカ言うなよ」
「うーん」
困った顔の警官。
と。
「私見てましたよ。この女の子が言ってることが正しいです。それに、この男は2人に危害を加えようとしてましたし」
「は、はぁ!?」
「そうね、私も見てました」
「確かに殴ってはいたけど、この男が最低なこと言ってたからよ」
周りの人達が、援護してくれる。
「チッ!俺は偉いんだぞ!分かってんのか」
「いや。アンタが偉いわけじゃない」
言ってやる。
全部、ぜんぶ。
「親が権力持ってるってだけで、それを傘に着てイジメ放題。俺も、彼女も標的になった」
ざわつく周囲。
「悪いことすら、分かってない。アンタの悪事を学校も揉み消して。通いたくはないが、仕方なく登校してたんだよ」
「……し、おざきさんの言う通りです」
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