第3話 動き出す闇

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第3話 動き出す闇

「おはよう、クレア。」 「おはようごひゃいます。私、ねごとで何か言ってませんでしたか?」 「言ってたなぁ~。お兄ちゃん大好…」 「そ、それ以上言わないでください!恥ずかしいじゃないですか!」 「分かったよ。」 「そういえばクレア、昨日、今日はアダヴァート遺跡に行くって言ってたけど、予定変更だ。今日は最寄りの村に行こう。」 「なんで?」 「どうやら<魔帝二十四騎士>の1人が最寄りの村に潜伏してるらしくて、それの討伐を依頼された。」 「その相手、<魔帝二十四騎士>ってこと以外に情報はないの?」 「ない。」 「だったらお兄ちゃん、今ここでお願いきいてくれる?」 「いいけど。何を俺にお願いする?」 「…私にお兄ちゃんを抱かせて!」 「え!?…あ、ああ、いいけど。」 どうして俺はいままで何も思わなかったのだろう。クレアって、見た目はただの龍星人族(ドラゴニウム)の美少女だけど、中身は子供みたいだな。それにしても、14歳でこんな体してる美少女に思いっきり抱き着かれるとか背徳感がヤバいな。 「そこの君たち、最寄りの村に用はある?」 「わわわわわ!!違うんです!別にエッチなこととかはしてませんよ!」 「苦しい、放せ、放せ!」 「ご、ごめんなさい!」 「ははは。君たち面白いね。で、最寄りの村に…」 「潜伏している<魔帝二十四騎士>を討伐しに行くところだ。」 「そうか。なら僕が案内してあげるよ。僕はモディフィカ。君たちは?」 「俺はイデア。」 「私はクレアといいます。」 「じゃあ、僕についておいで。」 どうしてコイツはさも俺たちが最寄りの村に用があることを知っているかのように…。 考え過ぎか?まあこの辺りは村なんて1つしかないしな。 「ほら、着いたよ。」 「ここがその村か…。」 特に怪しい魔力は検出されない。様子見するしかないのか。 「おいモディフィカ、また男を誑たぶらかしてきたのか?よく懲りないよな。」 「リヨですか。いいえ、今回はただの道案内ですけど…」 「どうせ隙あらば、だろ。また男を貪れるといいな。」 男が男を貪るねえ…。…え? 「おい待て。モディフィカって男じゃないのか!?」 「よく初見の人にはそう言われるんですけど…、僕、女の子なんです。」 「えぇぇぇぇぇ!?」 「すいません、混乱させてしまって。あと、僕は上級将徒なのでもし<魔帝二十四騎士>が潜伏していた場合、感知できるので、ここに奴らが潜伏している訳ではないでしょう、おそらく。」 「そうか。それならアダヴァート遺跡に行ってくるか。まぁ、モディフィカにお礼をしなやならないけど、遺跡に行った後でいいか?」 「いいよ、その方が好都合だし。」 「好都合?」 「いや、やっぱ何でもない。」 「なぁモディフィカ、わざわざ遺跡までついてきてもらって悪かったな。探索は俺らで行くから中にまでは…。」 「提案です。中はどんな危険があるか分からないので、クレアちゃんは探索についていかない方がいいと思います。」 「…確かにな。」 「何で!?なんでもするから連れてってよ、お兄ちゃん!」 「俺も、お前に怪我はしてほしくないんだ。だから、今回は我慢してくれ。」 「…もぅ、分かったよ。」 「ってことで、モディフィカ、クレアをよろしく。」 「了解。」 この遺跡、多種の魔物がいるけどそれぞれのステータスが低い。早く終わらせて、帰るか。 このマント…神具『龍星乗套スタァコート』。これが今回の神具か。 これ着てると蒸し暑いしさっさと外を目指すか。 何があったのか。この数分間に。 遠くにみえる村、山々は激しく燃え、目の前には傷だらけで倒れているクレアが‐。 「クレア!しっかりしろ!おい!クレア、クレア!何があった!?」 「やっぱり人間の憎悪や焦燥の感情は美味だ、実に美味い。」 「お前は…!?」 「モディフィカですよ。あなた、神なんですよね?まさか僕が<魔帝二十四騎士>の【キメラ】だってことが、分からなかったわけじゃないよね?分かってて僕の芝居に付き合って、クレアちゃんをボロボロにしたんだよね?」 「分かってたら、俺がクレアを守ってやらない訳がねぇだろ!!クレアは俺をお兄ちゃん、って呼んで、慕ってくれて、さっきだって探索についてきてくれようとした!義理の妹でもあんなに可愛い妹を酷い目に遭わせるなんて、できるわけないだろ!!!お前だけは、ここで殺す!!!」 神生奪還 第1部3章完 4章も乞うご期待
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