第4話 初戦

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第4話 初戦

「お前だけはここで殺す?3421年前に僕を見逃したのはどこのおバカさんだったかな?」 「俺がお前みたいなやつを見逃す訳がない!戯言(たわごと)を吐くな!」 「いいや、お前は確かに僕を殺さなかった。魔帝の血族だった時点でそれに相応しい教養をされてきたことくらい容易く想像できただろ?お前はどこまでバカなんだ?」 「お前だって俺が聖剣を持っていることに気づけなかった!そんなバカなお前に断罪を下してやろう。」 「お前ごときが扱える神具だ。そう大したモンじゃねぇだろ?」 「『火炎断罪魔法 十界ノ一 地獄界』!!」 豪勇剣レヴァテイン‐。その時の感情と勇気から抽出したエネルギーで魔術乱舞(ヘクサライタンズ)を起こす(使い過ぎると廃人になる)神具の中でもトップレベルで強く、それ故に使い勝手が悪い。  火炎断罪魔法 十界ノ一 地獄界…様々な火炎で焼き尽くし、相手を極限まで追い込む。 飢渇断罪魔法 十界ノ二 餓鬼界…欲望を掻き立て、自滅に追い込む。 破滅断罪魔法 十界ノ三 畜生界…理性を消滅させ、誘導して自滅に追い込むor技を叩き込む。 慢心断罪魔法 十界ノ四 修羅界…相手を極限まで慢心させ、無防備なところに技を叩き込む。 静寂断罪魔法 十界ノ五 人界…相手の戦闘意欲を消滅させ、技を叩き込む。 転生断罪魔法 十界ノ六 天界…相手の記憶を消去し、転生という形で消滅させる。 改悟断罪魔法 十界ノ七 四聖 声聞界…「無常状態」にし、思考をランダムに変更させる。       作用  十界ノ八 四聖 縁覚界 灰身滅智…消滅させる。(後に転生させる。) 救済断罪魔法 十界ノ九 四聖 菩薩界…浄化する。 尊極断罪魔法 十界ノ十 四聖 仏界…浄化、洗脳を通して神に転生させる。   「ぐっ…。何だこの炎は…!?全身が、痛い、熱い、本当の断罪…、これが…?」 「キメラのお前でも命繋ぐのがやっとだろうな。」 「僕がこの程度で死ぬ、とでも、思って、いた、のか…?」 「致命傷になればいいと思っただけだ。」 「僕 ハ ソノ 程度 デハ 死ナ ナイ ヨ。」 「お前、いまでも下半身が飛竜ワイバーン、腕が血伯魔人ブランデビル、胴体が武装竜ドラグナイツじゃん。これ以上強化できるか?」 「僕 ハ 最上級魔人 ノ 一人 ダゾ アナドルナ 」 「…まさか!?」 俺は今更、彼女のキメラ状態の姿の特徴は、最上流階級の血伯魔人ブランデビル、血魔狂乱罪神ロクシアと酷似していることに気が付いた。ロクシアがキメラになっていたとでもいうのか!? 「ぐはっ…!」 腹に激痛。尾で腹を貫かれたか…。駄目だ…。強力すぎて…もう…立っていられない…。ごめん、クレア、姉さん、ヒスイ…。 ビシャッ! あれ…?何をかけられた…?倒れたからモディフィカに溶解液でもかけられたか…? いや、違う…。 疲労がとれる、傷が消滅する…いや、治っている。回復薬ジェネシクルをかけられたのか。 回復薬ジェネシクルをかけてきた主は、いつも俺と会っては赤面している武神‐イリオス。 「勝手に消滅されたら困るんですけど。」 少し怒ってる?又聞きの噂だが、彼女は男神相手だと俺と話す時だけタメ口なんだとか。 「早くクレアちゃん助けてあげて。その辺に回復剤ジェネシクル置いといたから。」 「ありがとう!」 「…っ。」 俺のたった一言で赤面してる。他の女に盗られる前に告って来なさそう。 「待たせてごめん、クレア。今直してやる。」 クレアの傷は回復剤ジェネシクルで癒えたな。 「お、お兄ちゃん…グスッ、迷惑かけて、グスッ、ごめんなさぁい!」 「俺も、騙されてるのに気づけなくて、ごめん。」 「ねえ、この回復薬ジェネシクルはどうしたの…?」 「そこにいるイリオスって人、まあ俺の友人が俺たちを見つけて助けてくれたんだ。ところでイリオス、あいつはどうなった?」 「とりあえず退却させた。仕留めきれなかったけど…。あ、あと、私はイデア君のことは友達というか、その…。」 「でも本当に助かったよ。」 「…?!。…じゃあ、頭撫でてよ。」 「分かった。」 「イリオスさん!?何やってるんですか!?」 「え!?まさかシュレティちゃん天界から見てるの!?そういう事は先に言ってくださいよ~。」 「とにかく、イデアを守ってくれてありがとう。」 「いや、私はただイデア君に会いたくて…」 「おやぁ?いつも私の前でイデアのことは彼呼びなのに、本人の前では君呼びですか~?まぁ、話の続きは天界でしましょう。」 第1部4章完 5章も乞うご期待
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