第2部 第2章 三騎聖

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第2部 第2章 三騎聖

「なぁ、聖地巡礼ってどこ行くんだ?」 「ジェネシスの英雄で、聖皇帝レオポルト、って聞いたことある?私はずっとあの人を目指しているんだ。」 「そうか。それなら、そのレオポルトが使ってた剣、分かるよな?」 「帝王剣ニナ、だよね?」 「実は今、持ってるんだな、それを。」 「何!?本当なら見せてください、今すぐ!」 「見せるだけだぞ。あと、これ預かり物だから、丁重に扱ってくれ。」 「…1つ、お願いしてもいい?」 「何だ?さっきも言ったが、くれてやるつもりはないからな?」 「…お前がこの国に居る間、これを借りてもいい?」 「最後に返してくれるなら、な。」 「だったらお兄さん、私にも剣1本くれない?」 「クレアも欲しいどれがいい?」 「一番使いやすそうなのを…。」 「なら、この魔刃陽炎(まじんかげろう)でいいか?これは、斬った相手に8トンの重力がかかる剣だ。」 「ありがとう、お兄ちゃん!」 「またお兄ちゃん呼びになった!ホント、クレアちゃんってカワイイね~。」 「妹分には甘いのか。」 「ティオルフ様、楽しそうですの。」 「え!?なんで今日に限ってイリオス様が…。」 「また面白いことが始まる予感だにゃ。」 「そちらの方々は?」 「『三騎聖』だ。」 「そうか。『三騎聖』はジェネラルの騎士団幹部だったか。」 「紹介してくださいますか?」 「自己紹介は後で本人たちから聞いて。3人とも、この2人はイリオスの友人だ。」 「まぁ。イリオス様のご友人ですの?すぐにお茶をご用意いたしますの。」 「よ、よかった…。ただのご友人ですか。」 「それならよろしくだにゃ。」 「それじゃあ、自己紹介を聞こうか。」 「私はソグン・スジェスト・エリー。『三騎聖』の<騎士王>ですの。」 「俺は、ソグン・ソル・アンチモン。…『三騎聖』の<支援王>、です。」 「エリーさんとアンチモンさんは兄妹なんですか?」 「いや、ただ姓が同じってだけで、濃く、血が繋がっている、わけでは、ないと、思います。」 「え!?兄妹だと思ったんですの!?義兄様おにいさま、やっぱり私たち似ているんですの!」 「そろそろいいですかにゃ?」 「おっと、すいません。別に忘れてた、訳じゃない、ですよ。」 「お、もしかして猫人族(アイルーロサー)か?」 「その通りにゃ。アタシはミシキ・ツララですにゃ。『三騎聖』の<魔術王>、にゃ。」 「お互い仲良くしてね。師匠、今の弟子たちを見てどう思いますか?」 「随分大人になったな、と。前に会ったのが4年前だし、その所為もあるかなぁ?」 「あの…、質問していいですか?」 「いいです、けど。」 「アンチモンさんに本当の妹さんっているんですか?」 「妹、じゃなくて、姉さんなら、います。ほら、あの扉の、影のところ。」 「ひっ。…ど、どうも。ジェネラル国騎士団魔術部隊副団長のソグン・シユ・ツッカー、18歳です。皆さん、アン君がお世話になっております。」 「あれ、シユっち?この会談来にゃいって言ってにゃかったかにゃ?」 「どうしても、アン君が初対面の人と、ちゃんと話せてるか、心配で…。」 「姉さん、俺は、大丈夫だよ。姉さんも、初対面、苦手、でしょ?」 「ちょっ…。アン君、それ言わないでよ…。」 「素敵な兄弟ですね。ツツジ色の髪もお2人揃ってとても綺麗ですし。」 「俺から質問もう1ついいか?ツララ、お前って…」 「極東出身か、かにゃ?」 「…もしかして、今思考透視魔法でも使ったか?」 「もしかしなくても、にゃ。」 「マジか…。」 「その件だけど、アタシは、パパが極東出身だったにゃ。でも、ママとの結婚を諦めきれにゃくてここまで遥々来たってワケにゃ。」 「男の鑑、といったところか。」 「茶番はここまでにしよう。で、師匠。確かこの2人を鍛えたいんだったっけ?」 「そうだけど…。」 「て、ことで、エリー、アンチモン、ツララ。お前たちもこの聖地巡礼に着いてきてくれないか?」 「いいですよ、ティオルフ様からの頼みですもの。」 「俺も、イリオス様がいるなら…。」 「2人が行くならアタシも行くにゃ。」 「わ、私もついて行っていいですか?」 「じゃあ、出発は2日後にしよう。それまで観光でもしていてね。3人の部屋はあそこだよ。師匠、覚えてるね?」 「もちろん。」 「イデア君、イデア君はどう思った?あの5人。」 「いや、ああやって幹部の仲がいい国で本当に何年かに1回戦争が起こってるなんて、信じても信じきれないと思ったよ。あと、この街、気に入ったわ。」 「そっか。それなら、明日、デートしない?」 「え!?べ、別にいいけど。」 「やったぁ!じゃあ、明日楽しみにしてるね。」 「姉さん、イリオス様、絶対、イデアのこと、好きだよね。」 「そっか。アン君、イリオス様好きだったもんね。私、アン君の恋、応援してるよ、今でも。」 「俺、諦めたくないし、絶対叶えたい。何か、方法はない?」 「私、イリオス様に盗聴魔法をかけたんだけど、イリオス様、明日、イデアとデートするみたいよ。」 「ありがとう。俺、頑張ってみる。」 神生奪還 第2部2章完 3章も乞うご期待
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