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独占欲
ガラッ
ドアが開く音がして俺は我に返った。
「あら、けが人?」
「あ、はいっ!」
「でも、この子に手当してもらったので…」
「そうなのね。じゃあ、お大事に」
「あ、はいっ!」
って俺、あ、はいっ!しか言ってないじゃん…
…あの子、何年何組なんだろう。
名前は何なんだろう。
なんで保健室にいたんだろう。
あんな可愛い子がなんで噂にならないんだろう。
怪我してたのかな。
なんで?どうして?
俺は、あの子のことが気になって気になって仕方なかった。
「あ、だいきー!鼻大丈夫だった?w」
「………」
「おーい?だいきーーー?死んでる?」
「…………」
「おいってば!!!だ!い!き!!!!!!」
なぎさの声で俺はまた我に返った。
「ご、ごめん。ぼーっとしてて…」
「いーけどよ…保健室でなんかあった?」
「あ…………なんでもない」
俺は、保健室であった謎の少女のことを聞いたら、なにか知ってるかもしれないと思ったし、話してみようと思ったが、俺は、知らなかったとき、なぎさが少女の魅力に気づいてなぎさにあの子を取られてしまうのではないのかというバカげた発想が頭をよぎって話すのをやめた。
俺はなんでこんなに独占欲が強いのだろうか。今まではこんなことなかったのに…
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