透明な君とアネモネ

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 日和とのメッセージのやりとりを見返してみたり、スマホの写真を見返してみたり…。必死に約束に繋がるような思い出を探した。  でも、何一つ思い出せなくて3日間も無駄にしてしまった。もう少しヒントが欲しくて、何度か日和のお墓に行ったが日和の姿はない。    花が枯れるまでの時間が刻々と迫る。  「病院…、病院…、約束…もしも…。もしもっ…!!」  病院での記憶は思い出したくなくて自然と忘れるようにしていた。そのせいで病院でのことはほとんど覚えてなくて、あるのは目を閉じて二度と目を覚まさない日和の姿だけだった。でも、俺は約束をやっと思い出すことができた。  その時には既に一週間が経っていて、俺は急いで日和の家に向かう。  家のチャイムを押すと、日和のお母さんが玄関から顔を出す。  「いらっしゃい、優人君。どうしたの?」  「あの…、日和の部屋に漫画を置いたままにしてたのを今思い出して…」  本当の事を言えず、俺はそれっぽい嘘をついた。  「そうなのね…、使ってた時のままにしてるから、多分直ぐに見つかるわね。どうぞ入って」  おばさんは俺を家に入れてくれた。    『あの日の約束、覚えてる?』  (やっと思い出せたから、どうか消えないで待ってて)
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