3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
”・2月14日 せっかく手作りしたのに、彼女できたとか…最低。
・4月18日 優人の誕生日、今年もアネモネがモチーフ。でも、優人は花言葉なんて知らないだろうな、本当に鈍感野郎。しかも、もう彼女と別れたとか、これってチャンス!?なんてね…。
・8月8日 入院が決まった…。治るといいな…
・8月9日 ダメみたい…。まだ、まだ生きてたいのに…
・8月13日 明日から死ぬまで病院だって…、残酷だよね。もしもなんて考 えたくないけど、ブレスレット見たら喜んでくれるかな?その時に私はいないけど… ”
日記には日和の想いが沢山綴られていた。その中には俺の事もたくさん書いてあって…、全部全部、俺への想いが…。
日記にはところどころ涙の落ちた後が残っていて、俺は胸が締め付けられた。俺の頬にも涙が伝い、何も気づかなかった自分に腹が立つ。
” ・3月4日 入院してから半年くらい。毎日のように優人がお見舞いに来てくれる。嬉しい…、でも、そんなこと言えないし。この際、好きだって言っちゃえば、楽なのかな…。でも言ったとして、関係が崩れて会えなくなるの嫌だし…、あと少しで死ぬ人間を負担にさせたくない。
・4月30日 私の誕生日。18歳になったよ。もっと沢山やりたいことあって、もっと外で綺麗な景色を見たくて、もっと優人の隣に居たかった。たとえ彼女じゃなくても。
・8月12日 余命一年って言われてから一年が経つね。
お父さん、お母さん、今まで育ててくれて大切にしてくれてありがとう。本当に大好き、ずっとずっと見てるよ、私が居なくても笑顔絶やさずいてね。
優人、幼馴染じゃなくて本当は好きだって伝えて彼女になりたかった。でも、怖くて言えなかった。だから、ここで。
『好きでした。ずっと大好きでした。アネモネの花言葉調べてみて、なんてね…』
最初のコメントを投稿しよう!