透明な君とアネモネ

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 俺の言葉に日和は目を見開き、驚いた様子でいた。  「本当に…?本当に、私のこと」  「本当に。ずっと言えなかった…、怖くて。でも、好きだっていう気持ちは本物だよ」  日和の目からは涙のようなものが零れ落ちる。  「幽霊も、泣くんだな…」  「当たり前でしょ…、好きな人とやっと両想いになれたんだもの」  日和の涙につられて、俺も泣きそうになった。でも、グズグズするななんて言われないように涙を堪える。今くらい、男らしくいないと…。  「今更、ごめん。日和が生きてる時に言えば…」  「バカ…」  日和は涙を拭って、俺を睨む。  「今更なんて言わないで。死んでから幸せな気持ちになるなんて中々ないでしょ?だから、今更なんかじゃない。今、私すっごく幸せだよ」  笑顔になった日和が俺をそっと包み込む。たとえ、触れられなくても…、確かに温かいような気がするから。少しずつ少しずつ薄くなっていく日和。  俺は最後まで必死に話しかけた。  「俺、医者になるから!沢山の人を救えるようになるから…!」  「うん、ずっと見てるよ」  「ずっと、ずっと日和を忘れない。いつまでも愛してるから!」  「私も」    『私も愛してるよ』
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