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「あってますよ。さあさあいらっしゃい」
「ありがとうございます……って何で隠れてるの、葵」
彼女を招き入れようとすると、脇に隠れていた少女が気まずそうに顔を出した。
「あ、えっと……こんにちは」
「あれ? 瀬乃さん?」
玲華は思わず目を丸くしてしまう。そこに現れたのは、今日二度目の再会になる瀬乃葵だった。もう一度会えるとは思ってもみなかったので、玲華はその場で固まってしまった。
「あはは……先ほどはどうも……」
「葵、知り合いなの?」
「まあ、ちょっとね……」
葵は苦い笑みを浮かべて、気まずそうにした。
「えっと……二人とも入部希望でいいのかしら?」
二人は示し合わせたようにほぼ同時に首を縦に振った。
「わかった、歓迎するわ。玲華、悪いけどお茶を入れてもらえる?」
由紀は後輩二人分の椅子を引いて着席を促す。由紀の声で我に返った玲華は、四人分の紅茶を入れるために電気ケトルの電源を入れた。
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