「普通」じゃない後輩、「特別」じゃない妹

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「胸を張って言うことでもないけれど……まあ入部届を出してもらえれば拒否されることなんてないから、渡しておくわね。保護者の方にも署名してもらって、顧問の五十嵐先生に渡してもらえるかしら」 「わかりました。よろしくお願いします」 「かな子さんにも渡しておくわね」 「はい、ありがとうございます」  チャイムが部室に鳴り響く。それを合図に、放送部の下校のアナウンスが流れ始めた。 「時間だし帰りましょうか。もう二人とも、来週から活動に参加してもらっても結構だから。よろしくね」  かな子と葵に別れを告げて、玲華は由紀と二人帰路につく。二人は中学も同じだったので家の方向もそれほど変わらない。徒歩二十分くらいかけて、夕陽で影が落ちた道を歩いていく。  二人分の長い影を眺めていると、嫌な考えが玲華の頭の中をぐるぐると回りだしてきた。蘭に似た少女に出会い、同じ部活で活動することになった今日。ここまで来ると、逆に明日会う新しい妹のことを受け入れられるかもしれないと彼女は思った。
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